それよりも学校

□キミと未来まで(R-15)
2ページ/8ページ




「おい、これ、どうやるんだ?」
「それはね、まずここが動詞のV,それからここが目的語のOになって・・・」
「お、わかった!こうだな?」
「正解」
「よっしゃぁ!次は・・・」

私は和馬の真剣な横顔を見つめる。
勉強を始めたばかりのことは本当にひどかった。

小文字のbとdを頻繁に間違えるし、英語の単語能力は0に等しく、
問題を見ては
「だーーーーーっっ!!こんな問題誰ができるんだよっ!俺には無理だ、絶対無理だ、英語なんて無理だーっ!!」
と叫び、逃げ出そうとする始末。
しかし私が
「教会での言葉はウソだったんだ・・・」
というと顔を真っ赤にして、また勉強を始めるのだった。

でも勉強の成果があってか確実に英語の能力は上がってきている。
前ほど頭を抱えて叫びだすことは少なくなった。
日々進歩している。

それに比べて・・・




私は和馬のことが大好き。
ただ不満はあるわけで。




私は和馬の告白を受け、晴れて初々しいカップルになった。

ハズなのだが・・・
私たちの関係に特に進歩はなかった。

もちろんデートには出かけるし、二人の将来のためにこうやって勉強しているわけでもある。
ただ・・・

ただ本当に何もない。
告白を受けたときにキスをした以外、何も。

告白される前は、毎週のようにデートに出かけ、そのうち何度か手をつないだ。


なのに卒業後はさっぱり。

今では手もつながない。

あれから2ヶ月。
すごぉーーーくピュアなご関係を続けていらっしゃるわけです。

お〜い、健全な男の子がそれでいいのかぁ〜怒

にらみつけながら心の中で和馬に聞く。

「何かあったのか?額にしわ寄せて」
目線に気づいた和馬が聞いてくる。

え?額にしわ!?うそ!?
「何でもないよ」
額の間をこすってみる。
「そか?」
「それより早く問題解いちゃいなよ」
誤魔化すために言った。
「おうよ」
それにも気づかず、明るい返事が返ってくる。
そしてまた勉強に戻っていった。
私の気なんか知りもしないで・・・
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ