ポケットモンスターAW

□第二章
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第二章「闘いと戦い」

ポケモンリーグ滞在三日目

俺達は別れ、それぞれ修行に励むことにした。俺は怒涛のバトル三昧。ルミナはデンデンにバトルの基礎を教える。

☆バトル1☆
VSレンブ

勢いでポケモンリーグ制覇したら?とルミナに言われ、ランダはレンブさんと戦うことにした。
順番としては、レンブ→カトレア→シキミ→ギーマ→アイリス
である。こうなったのは、キョウヘイさんがまだ引きづってるらしく、部屋に閉じ込もってるからだ。意外にメンタルが弱かったキョウヘイさんである。代わりに、遊びに来たアイリスさんに相手をしてもらうことに。しかし、四天王、元チャンピオン相手に四体はキツイ気もした。そのため、特別ルールということで、三対三かつ、試合終了毎に回復有りでやることに。皆さん、本当にありがとうございます。
キョウヘイさんとのバトル後、ポケモンを逃がしたのがこんなところで仇になるとは、思ってもいなかった。

レンブ「久しぶりだな!ランダ!精一杯の力をお互いぶつけあうぞ!」

ランダ「はい!」

審判「これより、特別試合第一戦を始める。ルールは分かりますね?バトルスタート!」


レンブ「その強さ…再び見せてもらうぞっ! いけ!コジョンド!」

レンブが出したのは、ヒットアンドアウェイ戦法が自慢のコジョンド。それに対し、

ランダ「こい!サイバー!」

ランダはポリゴンZを出す。ノーマルタイプ、つまり、格闘タイプのコジョンドには弱いポリゴンZをだした。だが、もちろん秘策はある。

レンブ「ほう…。相性を覆すという訳か…。面白い!先攻はそちらに譲る!」

ランダ「では、遠慮なく…。サイバー!Code1!」

サイバーのトライアタック!タイプ一致なのもあり、なかなかの破壊力だ。

レンブ「コジョンド!アクロバットでかわせ!」

俊敏な動きで、コジョンドはトライアタックを余裕でかわす。

レンブ「今度はこちらがいく!コジョンド!飛び膝蹴り!」

アクロバットの勢いを利用し、飛び膝蹴りの態勢へ。そして、こちらに飛んできた。

ランダ「それは読めてる!サイバー!破壊フェーズに移行、目標を補足!」

サイバーは破壊光線の態勢に移る

レンブ「まずい!コジョンド、よけろ!」

だが、アクロバットからの連携なのもあり、勢いはとまらず、吸い込まれるように突っ込んでくる。

ランダ「サイバー!ターゲットを駆逐しろ!発射だ!」

まさに0距離射撃、コジョンドの攻撃が当たると思ったその刹那、サイバーの破壊光線が決まる。
キュオーーーン!どちらかというとレーザーに近い感じの細目の破壊光線はコジョンドを大きくふっとばし、凄まじい爆風を起こした。

レンブ「コジョンドー!!」

爆風から現れたのは、壁まで吹っ飛び、めりこんでいるコジョンド。もちろん、目はぐるぐるだ。

審判「コ、コジョンド!戦闘不能!」

レンブ「……強いな。それでこそ心踊る!次はそう簡単には行かんぞ!
張り切っていくぞ!カイリキー!」

レンブは瀕死のコジョンドをモンスターボールに戻し、いかにも毎日鍛えてそうなカイリキーをだした。

ランダ「サイバー!戻れ!」

破壊光線の反動を考え、ランダはサイバーを引っ込めた。さて、何をだすか…。カイリキーは格闘技でガンガン攻めてくるタイプ。ここは素早く翻弄するのがいいと踏み、ウォーグルを出すことにした。

ランダ「いくぞ!スカイ!」

勇ましい翼をはためかせ、大鷲が出てくる。

「ほう、あのウォーグルか。前回はそやつにボコボコにされたが、今回はそうはいかんぞ!先攻はこちらがもらう!カイリキー、爆裂パンチだ!」

ゆっくりとした動きでエネルギーを溜め、ノシノシっとカイリキーが拳を当てにくる。

ランダ「ウォーグル、追い風だ!」

風を繊細に操り、自らを風と化すスカイ。こいつは昔から風の扱いがうまく、今では追い風を起こすばかりではなく、常に風をまとうことができる。
カイリキーの気合いの入った一撃をさっと避ける。

レンブ「なら、カイリキー、ダブルチョップだ!」

四本の腕が紫色に輝く。腕が四本あるから、どちらかというとフォースチョップだ。

ランダ「ウォーグル、ブレイブバードで迎え打て!」

勇ましい力を翼にこめる。反動に臆することなく、この技が出せるのも、こいつが勇敢だからといえる。俺とは違って、熱いやつなのは、なんだか助けられる。なんやかんやでこいつと俺は相性がいい気がする。
スカイが不死鳥を思わせるオーラをまとい、攻撃を仕掛ける。
ドーン! カイリキーの龍をも殺す一撃、いや四撃と、スカイの蒼き翼の一閃が激突する。

ランダ「ん…?」

ランダは何かに気付いたようだ。(おかしい…。カイリキーの腕は1,2,3…。三本しかない。
じゃあ、もう一本の腕は…?)

レンブ「はっはっはっ!カイリキー、雷パンチだ!」

先程見えなかった腕は背中から激しい電撃を帯びて出てきた。

ランダ「!? スカイ、避けろ!」

だが、ブレイブバードの反動があるだけでなく、三本の腕と渡り合っていたスカイは避けられず、砂煙と共に地面をザザーっと滑っていった。

ランダ「くっ…。まさか、雷パンチが飛んでくるなんて。やはり四天王、手強いな…。スカイ!まだやれるか?」

スカイは地べたから勢いよく羽ばたき、鋭く声を轟かせた。

ランダ「いけるなっ、スカイ!反撃の恩返し!」

素早く飛行し、さっと相手の懐へ潜り込み、絆の力を見せつける。

レンブ「かなりの威力だな…。だが、カイリキーと俺も負けてはいない!カイリキー、雷パンチでフィニッシュだ!」

二本の腕に雷がほとばしる。

ランダ「スカイ、急上昇して避けろ!」

力強く羽ばたき、スカイははるか天空目指し飛びたつ。

レンブ「かかったな!カイリキー、ストーンエッジ!」

ランダ「な…」

カイリキーは尖った岩を地面から出し、スカイの方へと飛ばした。四本の内の二本は雷鳴が轟いている。

ランダ「追い風で避けてくれ!」

しかし、カイリキーのストーンエッジはスカイの動きを完全に把握してる…。スカイの翼に幾つもの岩が突き刺さる
スカイは落下する

ランダ「スカイ、なんとか持ちこたえてくれ!」

が、そこに

レンブ「終わりの雷パンチ!」

凄まじい電撃がフィールド中を駆け巡る。雷から現れたのは、ぐったりとしたウォーグルだった…

審判「ウォーグル、戦闘不能!」

ランダ「すまない…スカイ。ゆっくり休んでくれ」

俺はスカイをボールに戻した。
さて、どうするか…。おそらく、レンブさんは最後にローブシンをだすだろう。なら、奴は最後にとっておくべきか…。

ランダ「サイバー!再起動だ!」

俺は再びポリゴンZをだした

レンブ「先攻はそちらに譲る…。バトルはやはり、楽しいな!まだまだこれから!全力でこい!」

ランダ「はい!サイバー、Code3だ!」

サイバーの体全体から、放電が起き、それを収束してカイリキーに向けて発射する

レンブ「カイリキー、雷パンチで迎え打て!」

拳とビーム…。相反する雷が激突する。相打ちのようだ。だが、サイバーもダメージを受けてしまった。いくらかの雷は拳に押し戻されてしまったようだ…。恐るべし、カイリキーのパワー。

レンブ「カイリキー!爆裂パンチ!」

放電があちらこちらでちらついてる中、カイリキーが自身の最強技を繰り出す。だが、その歩みはあまりはやくない。膨大なエネルギーを拳に込めるため、他の動きは遅くなるのがこの技の欠点である。つまり…チャンス!

ランダ「サイバー!Code2で相手を宙に浮かせ!」

不思議な魔力で、カイリキーの体がふわっと浮き上がる

レンブ「こ、これは!?」

レンブさんもこれは想定外だったようだ。

ランダ「サイバー、カイリキーの拳を下にして地に落とせ」

勢いよく、カイリキーは地面に落下する。地についたその瞬間、凄まじい爆発が起きた。爆裂パンチが発動したのだ。

レンブ「カイリキー!!!」

爆風から現れたのは、当然、戦闘不能のカイリキーだった。

審判「カイリキー!戦闘不能!四天王レンブ、残るポケモンは一匹です!」

レンブ「まさか、カイリキーの格闘技を受ける前に倒するとは…だが、こいつには勝てん。残るポケモンは一匹、すべての力をここに捧げる!力を見せつけろ!ローブシン!」

…。ランダは思わずその迫力に言葉を失った。
前回戦った時より、筋肉は盛り上がり、コンクリートの柱が一回り大きくなっている。それだけじゃない。気迫がケタ違いだ…。すべてを一睨みだけで粉砕してしまいそうな鋭い目つき、殺気に近いものを感じるオーラ…。
サイバーもその気迫に負けているようだ。おそらく、プログラムにはない"感情"である「恐怖」を感じている。本来、ポリゴンは人工であるため感情と呼べる物はない。が、2を経てZになる時にバグが発生し、自我が芽生える。
サイバーは特にそのバグが大きかったため、他のポリゴンZよりも"心"がある。それゆえの反応だ。

レンブ「ふふふ…攻撃は譲ってやる」

ランダ「一気に決める!サイバー!サイコキネシス!」

が、ローブシンの身体は浮かない
ランダ「!?」

レンブ「こいつの筋肉の重さを舐めるなよ。ローブシン、ビルドアップ!」

さらに筋肉隆々になるローブシン。その有り余る力で超能力を吹き飛ばしてしまった。

ランダ「くっ なら、サイバー!砲撃体勢!」

レンブ「ローブシン!気合パンチ!」

サイバーの最強技が、ローブシン目掛け一直線に放出される。
だが、ローブシンはそれをいとも簡単に受け止めてしまった。
その勢いは留まることを知らず、破壊光線もろとも飛んで来た。
サイバーに指示をだす前に、目の前が見えなくなる。

俺が目を開けた時には、倒れたサイバーと、余裕の表情を見せたローブシンが立っていた。

審判「ポリゴンZ、戦闘不能!次がお互い最後のポケモンになります。」

俺はサイバーをボールに戻した。

ランダ「ろ、ローブシン…。前回とは別物ですね…。ですが、こちらも負ける気はありません!最後の一匹…行け!大海原の覇者、カリブ!」

殺気に満ちた声で出てきたのは、俺の手持ちの荒くれ者、フローゼルのカリブだ。
カッコつけて、眼帯をしている。
が、場に出たかと思うと、おもむろに外した。どうやら、本気なようだ。

ランダ「先行は頂きます!カリブ、ビルドアップ!」

レンブ「な、なんだと!?」

カリブは鍛えられた身体に磨きをかけた。全身からパワーが満ち溢れているのが、俺から見ても分かる。

レンブ「面白い!ローブシン、ストーンエッジ!」

岩の刃が飛んでくる。だが、俺は指示をしない。それでいいのだ。
カリブは岩の動きを把握すると、
自らの尻尾を水の刃と化した。
カリブのアクアテールは、海賊の劔のような鋭い一撃で、カリブ自身お気に入りの技だ。
岩と水、二つの刃が激突する。数はあちらのほうが多い。だが、威力は…ケタ違いにこちらが高い。
ローブシンの繰り出した岩はすべて切り落とされた。

レンブ「そのフローゼル、自由奔放だな。
トレーナーの指示を聞かずして、自分で動くとはな。そして、強い。だが…ローブシンには敵わない!ローブシン、マッハパンチ!」

ランダ「カリブ、ビルドアップを積むぞ!」

カリブはさらにパワーアップ。おかげで、ローブシンの攻撃を受け止めた。

レンブ「!?」

ランダ「今だ!アクアテール!」

一閃がローブシンに決まる

レンブ「くっ…。マッハパンチ!」

ローブシンは再びマッハパンチを繰り出してきた。

ランダ「カリブ、アクアテール!」

だが、連続で技をだしたのもあり、タイムロスが出来てしまい、喰らってしまった。
おそらく、あちらがマッハパンチを連続で仕掛けたところを見ると、体力がもう無いに違いない…

ランダ「カリブ、行けるか?よし。かわらわり!」

レンブ「ローブシン!岩でガードしろ!」

カリブのチョップは岩を破壊し、ダメージを与えた。だが、岩に当たった時に多少のダメージをうけてしまった。カリブ、ローブシンは互いに体勢を立て直す。どちらも、息を荒げている。

レンブ「おそらく、これが最後の一撃!この一撃にすべてを込める!ローブシン!!気合パンチだぁぁ!!」

ランダ「カリブ!冷凍パンチで迎え打て!」

冷気を帯びた拳と、内から溢れるエネルギーを込めた拳が重なる。
大爆発が起こり、何が起こったかが分からなくなる。
しばらく、無言の時が流れる…

フィールドに立つ影が一つ見える。あれは…

審判「ローブシン戦闘不能!よって勝者…ランダ!」

ランダ「っしゃ!よくやったな!カリブ!」

二人はポケモンを戻した。

レンブ「はっはっは、また負けてしまったな…。どうだ、何か役には立てたか?」

ランダ「はい。肉弾戦をすると、どうしても技の出が遅くなってしまうことが分かりました!」

レンブ「確かに、そのようだったな。楽しかった。ありがとう。また暇な時は相手してくれよ」

ランダ「こちらこそ!」

ランダはポケモンセンターへと行き、次の試合の準備をした。ポケモン達が回復するまで、二時間ほどかかるそうだ。午後三時ごろには試合を始められそうだ。

NEXT…カトレア
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