ポケットモンスターAW

□第五章
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ポッポ〜
ムックー!

鳥ポケモンの声で、ルミナは起きた。

昨日分かったことなのだが、今は野生のポケモンが出ないそうだ。少し前は草むらが生い茂っていたが、樹洞の開拓にあたり、刈ってしまったらしい。ポケモンの声がたくさん聞こえたから、てっきり野生のポケモンがたくさん出るのかと思っていた。

アイシクル「シア〜」

アイシクルも起きたみたいだ。
準備も早々に終え、ルミナはホワイトフォレストを抜けることにした。

道が少し長いが、1時間もかからず、
14番道路のゲートに着いた。

係員「あの、すいません。今、ここは封鎖中なんです。」

ルミナ「えっ。何かあったんですか?」

係員「実は、ラピスラズリと名乗る団体の襲撃があって…」

ルミナ「ほ、ほんとですか!?」

係員「はい…。警察が対応はしてますが、かなり厳しい状態で…。」

ラピスラズリがいるなら、なおさら行かなければならない。
ルミナは困ってしまった。

ルミナ「困ったわね…。あ、そうだ!」

何か閃いたのか、ルミナはバッジケースを取り出した。

ルミナ「私、バトルには自信あります!ジムバッジ8個持ってるんです。
通らせてもらえませんか?」

係員「…分かりました。ただ、気をつけてくださいね」

ルミナ「ありがとうございます!」

許可が下りたので、早速、ルミナはゲートを抜ける。

目の前に広がるのは、岩肌だ。
そして、青の中に点々とする星。
ラピスラズリの団員達だ。

ルミナ「Nさんは六体同時にやっていたわね…。私もやってみようかな。いくわよ、アイシクル!ハッピー!マシュマ!デンデン!」

グレイシア、トゲキッス、ブルンゲル、デンリュウがモンスターボールから解き放たれる。

ラピスラズリの団員の一人がルミナに気づいた

団員「お前、何者だ!我々に刃向かう奴なら容赦はしないぞ」

ルミナ「お手柔らかにね。」

団員A「舐めやがって!レアコイル、電磁砲!」

ルミナ「ハッピー、大文字!」

炎は電磁砲もろともレアコイルへと飛んでいき、大の字に広がった。
レアコイルは地面へと落下していく。
特性頑丈によりなんとか攻撃を耐えたと思いきや、追加効果の火傷で倒れていった。

団員B「可愛い顔して強いじゃないか。でも次はどうかな?
スワンナ、暴風!」

ルミナ「デンデン、10万ボルト!」

強風に臆することなく、デンデンは10万ボルトを暴風の中に放つ。激しい雷鳴が暴風の中するかと思うと、スワンナに電流が落下していった。

団員B「強い!みんな、あの少女に攻撃しろ!」

団員C「ハリーセン、とげキャノン!」

団員D「ドテッコツ、気合パンチっ!」

団員E「チルタリス、竜の息吹!」

団員F「レディアン、虫のさざめき!」

団員G「サンドパン、みだれひっかき!」

団員H「グラエナ、噛み付く!」

ルミナ「アイシクル、吹雪!
ハッピーはエアスラッシュ!
マシュマはハイドロポンプ!
デンデンはパワージェム!」

ルミナのポケモン達の攻撃は奴等のポケモンの威力を上回っている。
ダメージを一切受けることなく、押し返してしまった。6体のポケモンの目がぐるぐると周り、倒れていった。

団員一同「そ、そんな馬鹿な…。警察を追い払った俺たちが、こんなにあっさり…。」

ルミナ「あなたたちはここで何を…?」

団員A「幹部からの命令で、ここを制圧していた。…幹部にはあんただって叶わないぞ。後悔するんだな。引き上げるぞ!」

団員達はやむをえず退散していった。

ルミナ「気になるわね…。もうちょっとここで待ったほうがいいかな?」

アイシクル「シア」

グレイシアがコクっと頷く。

ルミナ「あそこに建物があるから行ってみましょうか」

ルミナとポケモン達は
研究施設のような場所へと向かう。


ルミナ「わぁー、おっきい研究所ね!」

看板には シフトファクトリーと書いてある。

ルミナ「面白そうね…。中に入ってみよ〜」

ルミナは研究所へと入って行った。

研究員「おや、君は…?」

ルミナ「私はルミナっていいます。さっき襲われませんでした?」

研究員「あぁ…。ラピスラズリ…だったか?大変だったよ…。まぁ、あの人が助けてくれたから。」

研究員が指指した方にいるのは、ラフな格好をしている、ふわふわのポニーテールの女の人だ。

ルミナ「こんにちは〜」

トウコ「こんにちは! あたしはトウコ!よろ……あれ、あなたの顔何処かで見たわね…。 あ!貴方、ルミナちゃんでしょ!
こーんなに可愛い子、そういないもん。そうでしょ!」

ルミナ「あ、はい。私はルミナですけど…。どうして私を?」

トウコ「デンリュウを託された少女 だから かな」

ルミナ「えっ!?」

トウコ「私、貴方にデンリュウを託した奴の友達なの。話は聞いてるわ。巻き込んでしまって、悪かったね…。」

ルミナ「いえいえ…。それじゃあ、トウコさんも私と同じで…」

トウコ「ラピスラズリの対抗勢力よ! これからよろしく!」

ルミナ「こちらこそよろしくお願いしますね」

トウコ「せっかくシフトファクトリーに来たんだし、ポケシフターを見て行ったら?」

ルミナ「お言葉に甘えて…。」

トウコの案内で、ルミナは研究所の一番奥へと進む。


所長「はーい!私がここ シフトファクトリーの所長!ポケシフターのワーンダフルなところを教えちゃうよ!」

ルミナ「ど、どうも。私はルミナ といいます!」

所長「ルミナちゃん!あなた、とってもグレートそうですね!たっくさん説明しちゃうよ!
まず、ポケシフターっていうのはねー……。」

ハイテンションな所長からポケシフターについて一通りの説明を受けるルミナ。

ルミナ「すっごいですね!他地方からポケモンを持ってこれるなんて!」

トウコ「ほんとだよね。ただ、腕のあるトレーナーじゃないと機械が稼働しないんだよね〜」

ルミナ「そうなんですか?」

所長「困ったことにね…。まぁ、チャンピオンぐらいにならないと動かなくて…。」

ルミナ「そうなんですか…。他地方のポケモンかぁ…。見てみたいなぁ」

トウコ「ルミナちゃん、見てみたい?」

ルミナ「え!いいんですか!」

トウコ「もちろん!出ておいで、ニャスパー!」

ニャスパー「ニャァァ」

ルミナ「わぁ!可愛い!図鑑、図鑑〜っと。 あれ?」

トウコ「あ、もしかして、まだ全国図鑑になってないの?」

ルミナ「あっ…。たぶん、そうですね…。」

トウコ「じゃあ、あたしのをあげるよ!」

ルミナ「えっ だ、大丈夫ですよ」

トウコ「いいの、いいの。ラピスラズリと戦うのにも必要でしょうし!」

ルミナ「それじゃ お言葉に甘えて…。」

ルミナはトウコから全国図鑑をもらう。

ルミナ「それじゃ、早速…。
ニャスパーってエスパータイプなんですね!」

トウコ「エスパータイプらしく、念力でイタズラするのよ」

ルミナ「やっぱり可愛いですね♪」

ニャスパーで盛り上がっている中、
遠くでバイクの音がした。

トウコ「こんな時間にバイク?珍しい〜」

バイクの音はどんどん近づいてくる。それだけではない。ジェット機のような音までする。

ルミナ「何か…くるっ!」


研究員「うわぁぁあ!」

研究所の一部が突如、粉々に崩れ落ちた。

所長「何だ!?」

「ゴルーーグ!」

???「アイガロン、もう一発やれ」

ゴルーグの攻撃で、さらに研究所は破壊される

トウコ「なんなのよ!いけっ バルジーナ! イカサマ!」

???「アイガロン、カミナリパンチ‼︎」

青い巨体から電撃が迸る拳が、バルジーナに叩きつけられる。

トウコ「バルジーナ、大丈夫? …っ!麻痺状態!?
仕方ないわね。戻れ、バルジーナ!」

一人のひょっとこ仮面をした男が、黒いジャケットに身を包み、エビのような形をした青いバイクから降りる。

???「イキナリ ナニヲ シュル⁉︎
マダナノッテモナイダロ⁉︎」

トウコ「いきなり研究所を壊したのはあんたでしょ!」

???「ソエモソウカ。オエハ コードネーム トゥエンティー エイト。アピスラズイノカンブダ」

トウコ「ラピスラズリなのに、なんで黒いのよ!しかも仮面だし!」

28「カッコイイカラナ。カメンハショウタイガバエナイヨウニダ」

トウコ「正体ばれても問題ない気が…。」

ルミナ「やっぱり、ラピスラズリ!それじゃ、あなたが指示して ここを制圧しようとしたのね!」

28「ゴメイトウ‼︎ セカイヲカンイスウテハジメニ、ポケシフターヲフウジヨウトオモッテナ」

ルミナ「そんなことさせない!
アイシクル、いくわよ!」

アイシクル「シアシーア!」

28「ジャマヲスルノナア… アイガロン 、バクレツパンチ‼︎」

ルミナ「アイシクル、吹雪!」

地面・ゴーストタイプであるゴルーグに効果は抜群。だが、身体の腰は変形し、炎が吹き出している。すさまじい吹雪の中でも、止まることを知らない。雪を全身にくっつけたまま、アイシクルに突撃してくる。
その拳の破壊力に、大きな爆風が起きる。

ルミナ「アイシクル、まだいける?」

アイシクル「シア… 」

アイシクルは苦しそうに、首を縦に振る。

28「イイコンジョウダナ…。ダガ、テハヌカン。アイガロン、ソノチカラヲトキハナテ‼︎‼︎」

ゴルーグの身体が光りだす。

ルミナ「この光は…メガ進化!?」

光はゴルーグを包み込み、その姿やを形作っていく。

キューーンドギャーン(脳内再生余裕の効果音)

「ゴゴゴゴ ゴー!」

メガゴルーグとなったアイガロン。
その身体からは絆創膏のようなものがなくなり、紫色に光った石のようなものが見える。全身に張り巡らされた黄色く光っていた部分は、金色になり、輝きをましている。
また、拳は黒いオーラを帯びている。まるで炎のようにオーラが揺らめく。

トウコ「ま、まさか 本当にメガ進化するなんて…。」

ルミナ「デンデンを救った力…。」

28「イマハセカイヲスクウチカラダガナ」

ルミナ「世界を…救う?」

28「ソウダ。カンリスルコトニヨッテ、セカイハムカシノカガヤキヲトリモドス」

ルミナ「それって…。今は輝きを失ってる ってこと?」

28「ポケモンヲアクヨウスルヤツガオオスギル」

トウコ「確かにね…。このポケシフターも、何度か悪用されたこともあるし」

ルミナ「えっ!?
で、でも、すごい人じゃないと起動させられないんですよね?」

トウコ「だから、大事には至ってないの」

28「ソレガゲンジツダ。サァ、バトウノツヅキダ」

ルミナ(ランダが悩んでいるのも無理ないのね…。ランダは、お父さんのことで…。)
「ここは…アイシクル、戻って!
頼んだわ、マシュマ!」


28「アイガオン、カミナイパンチ‼︎」

ルミナ「マシュマ、守るよ!」

メガゴルーグの強力な一撃はブルンゲルのシールドによって守られた。

ルミナ「鬼火!」

青い人魂がメガゴルーグを襲う。
アイガロンは火傷を負った。

28「アットウテキナカリョクノマエデハ、ヤケドナドムイミ!
アイガロン、カミナリパンチ‼︎」

アイガロン「ゴゴー!」

ルミナ「マシュマ、もう一度守って!」

アイガロンの攻撃はふたたび防がれる。

28「ボウギョダケデハカテナイゼ」

ルミナ「今よ!シャドーボール!」

ブルンゲルから邪念を込めた球体が放たれる。ブルンゲルと同じくゴーストタイプでもあるメガゴルーグに効果は抜群だ。

28「アイガロン、ダイジョウブカ!?
マモル デスキヲツクッタノカ…。」

トウコ「その調子よ、ルミナ!」

28「アイガロン、ジシンカラカミナイパンチデソノチカラヲミセツケロ!」

アイガロン「ゴーー!」

強力な大地の力をまとった衝撃波がマシュマを襲う。それだけではない。建物が激しく揺れる。

ルミナ「マシュマ、よけて!」

しかし、波のようにうねる衝撃波なため、よけることができず、直撃してしまった。そこにメガゴルーグが足をしまってジェット噴射しながら雷鳴を轟かせた拳を振りかざす。
地震を受けているマシュマがよけられるわけなく、顔面にその拳がとんでくる。

ルミナ「マシュマ!?」

地へと落下していくブルンゲル。
火傷を負っているとはいえ、遥か古代の力を解き放ったメガゴルーグの一撃は強く、いくらマシュマでも耐えることはできなかった。

ルミナ「ごめんね、マシュマ…。ゆっくり休んでね」

28「ヨクヤッタ、アイガオン。いけ、ダーマ!」

トゥエンティーエイトが出したのは、デンチュラ。可愛らしいバチュルの進化形だ。

ルミナ「虫、電気タイプのデンチュラ…。だったら…お願い、デンデン!」

ルミナ「メガ進化!」

キラキラキラン キューーン ドギャーン!

「リュリュー!」

28「メガデンリュウ…ワレワレハオマエトタタカウツモリハナイ」

デンデン「リューリュ!」

28「オマエハタタカウキマンマンカ…
ダーマ、ムシノサザメキ!」

ルミナ「デンデン、竜の波動!」

虫のさざめきは鳴き声などを実体化し、打ち出す技。
対し、竜の波動はドラゴンの中に眠るエネルギーを放射する技。
威力は五分五分。大きな爆発がおきる。

研究員「うわぁぁ」

爆発の衝撃でシフトファクトリーはさらに壊れていく。

トウコ「ルミナ!悪いけどこの勝負、引き上げて!」

ルミナ「えっ、なんでですか?」

トウコ「これ以上のシフトファクトリーへの被害はまずいわ。あたしがやる!下がってて」

ルミナ「あっ、すいません…。
分かりました、お願いします。
デンデン、おつかれさま」

28「イッシュエイユウノヒトリ…。アイテニトッテフソクハナイ!」
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