八犬伝
□いつでも傍に
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蒼は信乃の名前を呼びながら、信乃を押し倒した。
「何すんだて
「信乃、分かってる?俺が信乃といられる時間は今日しかないんだよ?」
信乃の言葉を遮り、真剣な顔で蒼は言う。
「荘介は信乃といつでもいられるでしょ?また明日になったら、荘介に戻るんだしさ…」
いつになく悲しそうな顔で信乃から顔をそむける蒼。
「蒼、お前…」
(俺だってできるなら荘介みたいにいつでも信乃の傍に居たい。でも、俺は…)
「だから、信乃。今日だけでも俺だけを見てて?」
そんな蒼の発言に信乃は咄嗟に反応できない。
「それとも、こんな俺とは少しでも一緒にいたくない?」
そんなことを言う蒼に、やっぱり信乃は
(やっぱり、コイツも荘介だな)
と思ってしまう。
「別に俺は、お前が嫌いなわけじゃない。お前が、荘介を殺そうとしていたから…」
「でも、ああでもしないと俺の願いは叶わないと思った。あいつのせいで俺は信乃にとって「荘介」じゃなくなった・・・」
そんなことを言う蒼に、はっきりと信乃は言う。
「俺にとっては、お前だって「荘介」だ。大塚村にいたころと何も変わらない。」
それから、少し照れながらそっぽを向きながら
「だ、だから、今日ぐらいは傍にいてやってもいいかな〜なんて…」
と言った。
「ありがと。信乃、大好きだよ。」
「ちょっ!だからってそんなことしてもいいとは言ってない!」
二人はそのまま楽しい楽しい日を過ごしましたとさ
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