八犬伝


□いつでも傍に
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「でも、蒼、お前あの時消えたんじゃなかったのかよ?」


(そう、あの時俺の目の前で・・・確かにコイツは…)
信乃は頭の中であの時のこと思い出していた。


「俺にもよくわかんないけどさ、俺と荘介は元々二人で一つだったんだから完全にどちらかが消えてなくなるって事はないんじゃない?」

「ふ〜ん・・・」


まだ信乃は納得がいかない様子だ。


「ま、よく知らないけど。そんなことはどうだっていいしね。
それより信乃、この状況がどういうことかわかってる??」

「??」


信乃は何のことかわけがわからず首をかしげる。


「ほら、だって今ここにいるの信乃と俺だけなんだよ?
今日は荘介だっていない。
こんなチャンスそうそうないでしょ?」

「は?なんだよチャンスって…」


不敵な笑みを浮かべる蒼に信乃は危険を感じる。


「それに信乃だって俺に会いたかったんじゃないの?」


そう言いながら蒼は、信乃の顔を強引に自分に近づけた。


「意味分かんねぇこといってんな!てか、触んなっ!近寄んなっ!」


信乃は、蒼の顔にげんこつを食らわせた。
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