メモ2*4
□えりたんはピュアガール!vr.まゆさん
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「なんやの?!これ!」
まゆの声が私の部屋にこだまする。
「そやかて…かわいいやろ?これ!」
「いっくら可愛い言うたかて…こんなにガラクタ…どないするつもりなん?」
私は集めたガラクタを部屋に置いていたのだが、ついに今日まゆにバレた。
いつも「集めすぎたらあかんで?ほどほどにしとき」と言われてきたのだ。
しかし、今回ばかりは集めすぎたようだ。
まゆはいつになく怒っているように見える。
その横顔を見ながら、
最近さらに彼女がまた痩せたように感じた。
「まゆちゃん、そんなに怒ったらあかん。また痩せてまうで?」
「誰のせいやと思うてるん?!話をすり替えようとしたかてあかんで?」
彼女はそう言いながら、私のガラクタをひとつひとつ見ながら、箱を持ってきた。
「あ…バレた?」
「当たり前やろ。」
そう言うと、私の前に座った。
「怒らんといて?」
「おこってへん。…おこってへんけど、呆れてる。」
彼女は、ガラクタを手で私に見せながら、目だけで
゛これまだいるん?゛っとひとつひとつ問う。
だから、私も手を動かしながら、彼女の問いに頭を振って答えた。
「ごめんなさい…。」
「せやけど、よう集めたなぁこんなに。」
「気づいたら…いっぱいになっててん」
「まぁ、しゃあないな。いらんもんは片そ。」
そう言って、再び手を早く動かすまゆに「ありがとう。」と言えば、彼女はちょっと笑って言う。
「もう…これからは気いつけてな?」
「うん。今日はお詫びに私が夕食つくるわ」
「それ…罰ゲームやなくて?ふふっ」
「失礼な!」
「ごめん、ごめん、楽しみにしてるで、えりたん。」
そんなことを話していた瞬間、まゆが手にしていたガラクタが、ゴミ箱へと行きそうになって私が、瞬間的に止めた。
「まゆちゃん!それ、あかん!」
「え?」
まゆは、手を止めた。
私は、彼女に手を伸ばすと、彼女がそのガラクタを私に渡した。
「これ、捨てたらあかん…」
「どうして?」
「これはあかんねん。…この子がかわいそうや…」
私が小さい声で、それを大事に抱えながら呟くと、彼女が頭を抱えた。
しかし、すぐに顔をあげて、私を見て呟いた。
「えりたん…ほんまピュアやな…」
「へ?」
私はまた怒られるかと思ったのだが、その反応が予想外で首をかしげた。
「ほんま、こんなんで生きていけるんか心配やわ。」
まゆは、ちょっと困ったように、でも笑いながら言った。
「まゆがおるから大丈夫や!」
私が反射的にそう言ったら、彼女は一瞬ポカンとした。
「ふふっ…もうほんま、そういう無意識なんが一番恐いわ」
「?」
彼女の言葉に再び首をかしげると、彼女は「やっぱり離されへんわ…」と呟いて、また手を動かし始めた。