メモ2*4
□お返事は?
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「じゃ、行ってきます!」
壮さんが玄関の前で、そう言ったので、私は黙って頷き「いってらっしゃい」と言った。
「昼までには帰るから、そしたらなんか食べにいこか?」
ニッと笑った彼女に、またコクりと頷く。
「はい…」
「ん?どないしたんや、元気ないけど。」
壮さんは、私の頭をワシャワシャとして聞いてきた。
「なんもないです。はよう行ってください。」
私が寂しくてちょっとむくれてそう呟くと、
壮さんは笑って、ニヤニヤしながら意地悪そうに言う。
「はいはい、でもまっつ、いい子にお留守番出来るん?」
「…っ」
私は、彼女を睨んだ。
すると、壮さんが台詞のように言った。
「まっつ…お返事は?ははっ」
「っ…//」
私は身体がポッと温かくなったのを感じた。
「ん?」
「できます…//」
私が、顔を反らして言うと、壮さんはまた笑って私の頭を撫でて出ていった。
いい子にお留守番できると言ったけれど、その日はお昼までがひどく長く感じたことは、彼女には黙っておくことにした。