メモ2*4
□まだそこに
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あの日別れてから、まだ何ヵ月とたっていないのに…。
彼女の顔が頭をよぎるのはなぜだろうか。
あの日、さよならを言おうとした彼女に口づけした唇の感触がまだ残っている気がして…私は自分の唇を指でそっと触れた。
「まっつ…」
小さく呟いたら、ひゅーっと風が私の肌を通りすぎて、思わず身を屈めた。
こんな夜は、早く布団についてしまおうと、ベッドにねっころがった時だった。
すぐ近くで充電中の携帯がなった。
あ………。
思わず、息を止めた。
あの日以来、見なかった愛しい人が私の携帯をならしていた。