メモ
□たぶん好き
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その日、私はお休みで買い物に来ていた。
お昼も過ぎた頃、
少しお腹も減ったなと思って、
飲食店のある階へとエスカレーターを降りる。
するとそこで、私のよく知る顔を見つけた。
「ゆうひさん…」
気づいた瞬間、思わず彼女の名を口にする。
すると、私の声なんて聞こえていないはずのゆうひさんが読んでいた本からふと顔を上げて私を見た。
彼女に手招きで「こっちにおいで」と呼び寄せられた私。
「えりたん、買い物?」
「はい、そんなとこです。ゆうひさんも?」
「うん。でも、朝御飯食べなかったから。とりあえずここでコーヒー飲みながら読書して休憩。えりたんは?」
「私はお腹減っちゃって。何かないかなって探してたとこです」
「そうなんだ。じゃあなにか食べる?」
ゆうひさんがメニューを開く。
「サンドイッチを…」
私がそう言うとゆうひさんは、「せっかくだしランチくらいおごるよ」と、私のサンドイッチを頼んでくれた。
お腹が空いていたせいか、私はサンドイッチに伸ばす手が止まらない。
「なんかさ…えりたんが食べてるとすごく美味そうだね」
がっつく私を見たゆうひさんは、微笑みながら「美味しい?」と尋ねる。
「はい、もちろんです」
「じゃあ私もそれと同じの食べようかな」
ゆうひさんは店員さんに私と同じものを注文した。