メモ2
□シラフの時に
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まゆは、酔った時ほど大胆な性格になる。
まぁ、大抵の人はそうだろう。
でも昔、酔った後に押し倒そうとしたら「シラフでしか抱かれたくない」とごねられたことがあった。
私は「まゆが嫌なことなしない!」というのがポリシーだから、仮に彼女が色気ムンムンで酔っ払って帰ってきても我慢する。
でも、その時の我慢は尋常じゃない。
餌を前にしたライオンに待てをさせているようなもの。
そう、それが今だ。
「えりたん、ぎゅーして?」
酔って帰った彼女をベッドに運び、パジャマに着替えさせようと服を脱がしていると、甘えた声で抱き着いてきた。
くっそ〜!まゆがシラフならよかったのに!
私は耐える。とにかく耐える。
まゆは、私の手が冷たかったのか、
「えりたん、つめたーい」
と、こっちの気も知らないでまるで子供のようなあどけない表情を私に向けてくる。
耐えて耐えて耐えて耐えまくって、着替えさせるころ、まゆは眠りについていた。
私が頭を冷やそうと風呂場へ向かおうとすると後ろから愛しい彼女の寝言が聞こえてきた。
「えりたん、、、すきやで…」
私もや、まゆ。
だから早く目を覚まして、私の顔を見て同じ言葉を言ってほしい。
今夜はそう願わずにはいられなかった。