メモ2

□どっちが好きですか?
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たまたま二人とも遅い時間からの稽古だった日の朝、まゆと2人でカフェに行く。

本当はまゆを家で休ませたいけれど、
どれだけ私が荒く抱いても
彼女は先に起きると知っていたから、
せめて朝食を作る負担だけでもなくしたいと、昨晩のうちに今朝は食べに出掛けようと約束しておいた。


メニューを頼んだ後、まゆが店の外にあるお洒落な家のテーブルを見て言う。


「見て、えりたん。あの家のテラスにあるテーブル可愛い!」


確かに赤と黄色のポップな感じが、目を引いて素敵だ。でも、もっと可愛いのは、今目の前にいる彼女。


「ほんまやな〜、ほんまにかわええわ」

私は、まゆの顔を見て言ったのを彼女は知らない。

「ねえ、赤と黄色どっちがすき?」


「赤」

「えりたん赤好きやもんね」


「うん」

しかし、その後彼女がらしくない唐突な質問をしてきた。

「えりたん…もし私たちに子供がいたら私と子供どっちを好きになると思う?」


「え、そやなぁ」


きっとまゆの子はめっちゃ可愛いやろな。
でも、そうなったらどっちが産むんやろ…。
やっぱり、まゆやろな。
そやったら、私はイクメンやな…イクメン?メンズやないしなあ。

私は、見たこともないまゆとの子についての生活を想像する。

そんなことを考えながら食事をしていたら
「えりたん、なに悩んでるん?」っとまゆに言われた。

まゆが聞いたんやないか!!

「まゆの質問考えてたんやで」

「ふふふっ、まだ、考えててくれたんや」


「そりゃ…でももう少し考えさせて」

「いいで。でも帰りの車でまた聞く、ふふふ」

いたずらっ子のようにまゆは笑った。
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食事を終えた私たちは、車に乗り込んだ。

もう少しで家に着くころ、まゆがさっきの質問を再び尋ねる。

「それで?どっち?」


「そやなあ」


「どっちが好きですか?」


まゆの表情は運転しているから見えないけど、その声はとても可愛らしい。

「やっぱりまゆやな」


「…」

なんでだまるんや…なんか悪かったんかな

「…まゆ?」


「よかったぁ〜」


「よかった?それよりなんでそんな質問するん?」

「お茶会でな、私と子供選べないくらい好きっていうファンの人がいてん。だから、えりたんにも、もし子供がいたら、私のこと好きって断言してくれなくなるんかなって思ったの//」

なるほど。そういうことか。


「子供は、まゆとの子やったらかわええやろな〜って考えてん」


「うん」


「でも、やっぱりまず第一にまゆ。私にはまゆが必要やねん」


そう私が言ったとき、信号が赤なった。


「私も…えりたんがいたら、もうなんもいらない」



その言葉を聞いて、私はまゆの腕をつかんで引き寄せ、キスをした。
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