メモ2

□あまい
1ページ/2ページ

壮さんはときどき、とてつもなく恥ずかしいことを言ってくる。

この間も、私からキスするのは苦手だと知っているくせにせがんできた。

一度言ったら引かないのは知ってるけれど、私はそのたびにドキドキさせられる。


そう、確かあの時もそうだった。
壮さんの家でソファーに座り、下級生からもらったブラマンジェを食べている途中なのに、壮さんがキスをせがんだ。


「なぁまっつ〜、キスしたいんやけど、今してもええ?」

「え、今ですか?駄目ですよ。食べてますもん」

「なぁ。そんなこと言わんでキぃスゥ!」

「無理です//壮さんも、はよ食べてください」

「あかんねん!」

「はぃ?」

「食べてる途中にキスしたいねん」


「なんでですか〜//、そないなことしたら味わからんようになってしまうわ」

「そんなことない!いつもより甘いキスになるねん!」


「…。」

こうなったら止まらないのが彼女。
少女漫画でも、間違って読んでしまったんやろうか…。

「わかりました。キスします。していいですから。」

私は、そう言って手に持っていた食器を置こうとしたら、その手を壮さんに止められた。
私は不思議に思って、彼女を見る。

「ん?」

「今日は、まっつからして」



「…////」


私から…///



「あかん?」

「…もぅ」


「なあ、まっつ〜」


甘えた声で私にせがむ。
その目はまさに少年。



あぁ〜…あかん。
この目はもう耐えられない。
こんな期待されたら無理や。


私は、一口ブラマンジェを運ぶと、落ち着いて食器をおいた。

壮さんは、そんな私を見て「やっぱり、あかんか…」っといった様子。


私だって、私だって、本当はキスしたいんですよ?

でもいつもはそんな勇気が出ないだけ。


私は甘いデザートが、まだ口に残るなかで勢いよく口づけた。

「…んっ…//」

壮さんの目が一瞬ビックリして大きくなってから、ゆっくりと気持ち良さそうに目をつぶった。

私も彼女を気持ちよくできた…//って、嬉しい気持ちになった瞬間、今度は壮さんから勢いよく背中を抱かれて、私と彼女の距離が一気に縮まった。
そして、どんどんキスは深くなった。


「んんっ…/////」


甘い…それはこのデザートのせいなのか、はたまた私の心の持ちようなのか。

今までで一番甘いキスだった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ