幻想世界の鎮魂歌
□前奏
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「糞ジジィ共、帰ったら吊るす」
馬車馬の如くの仕事内容に、疲れを隠せない一人の青年が、ボソリと本音の独り言を呟いた後に見つけたのは、
フリルたっぷりのロリータファッションの少女だった。
真っ白な雪の上に、少女は倒れていた。見た目は5、6歳で、長い銀髪が特徴的な、美しく可憐な人形の様な少女。
一枚の絵画の様に美しいその映像に、青年は、欲情した。
「おい、コラ。勝手にロリコンフラグ立ててんじゃねーぞ。吊るすぞ」
…こほん。青年は、少女に近付き、少女の愛らしい頬に触れた。柔らかく温かい。青年の欲棒が、ムクムクとーーーー(ちょ、な、こっちくんな!ま、待て!話せば分かっ(しばらくお待ちください)
青年が、少女の頬をペチペチと叩くと少女がゆっくりと瞼を上げた。
「こんなとこで寝てると、死ぬぞ?」
少女は、二度三度瞬きをするとムクッと上半身を起こした。
「お兄ちゃん、だぁれ?」
鈴の音の様に軽やかで柔らかい声が少女の口から鳴らされた。
「俺は、フォルテ。何でこんなとこで寝てんだ」
「んとね、んとね、…んー、なんでだろ?」
「チビ、家は?」
「んとね、んとね、んー、んー」
「チビ、名前は?」
「ミオーっ」
ニコッと笑った少女は、どうやら記憶喪失らしかった。疲れも頂点だが、この治安の悪い場所に置いて行くのも、寝覚めが悪い。と、フォルテは少女を荷物のように肩に担ぎ、幼女誘かっ(ドゴッ)少女を組織に連れ帰った。