ひとひらの夢
□銀と空色〜gintosorairo〜
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人の昼寝場所をあんなことに使うな!!
あー、腹立つっ!!!
憤慨しつつ、屋上庭園へ続く扉を開ける。
昨日の今日で、まさか、居る訳ないだろうと高を括っていたら見たことのある後ろ姿ーー、銀髪の尻尾が風に揺れていた。
居やがるし……何なんだよっ!!!
私の方を振り返った男はニヤリとほくそ笑んだ。
な、なんか、ヤバそうだ!!
頭の中で危険信号が警鐘を鳴らす。
でも、逃げたいのに、身体は、足
は言うことを聞いてくれない。
例えるなら……そう、蛇に睨まれた蛙状態。
冷や汗が背中を伝う。
「くっ…………来ないでよっ!!」
近付く男に威嚇よろしく、睨みつけて声を荒げる。
ぴたりとその歩みを止める男。
しかし、こちらを見下ろす瞳は愉しそうに細められている。