ひとひらの夢
□銀と空色〜gintosorairo〜
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“フシャーーッ!!!”
コイツが猫なら間違いなくこんな感じだろう。
俺を見て明らかに嫌な顔をしている。
「そんなに警戒せんでも、お前さんみたいなのは好みじゃないぜよ」
「こっちだってあんたみたいなのは願い下げだっ!!!」
おもしろい反応だな。
「な、何笑ってんの……気持ち悪い!!」
くくっと喉を震わせて俺が笑うのが面白くないのか、コイツの表情がコロコロ変わる。
他の奴らとは明らかに違う。
鼻にかかるような甘ったるい喋り方もしなければ、気安く触れてくることもしない。
コイツを構ってれば、しばらく退屈しないで済みそうだな。
「お前さん、名前は?」
「…………アンタみたいなのに、名乗る名前は持ち合わせてないっての!!」