マアト・ラーの夫君たち (エジプトBL)

□プロローグ
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その日僕は南アフリカ、ヨハネスブルクで行なわれた学会の帰り、叔父の住むパリに向かう為の飛行機に乗っていた。
南ア航空1085便。
アフリカの飛行機はとてもじゃないが搭乗遠慮願うような機体も多いがこの機体は最新のボーイング787。
そのファーストクラスの座席に一人鎮座している。
パリまでは約8時間のフライトだ。今はちょうど半分位の旅程か。
ホントはエジプトに寄りたかったんだけど、「旨いもの食わせてやるしさ、来いよ。久しぶりだしさ。」との叔父のお言葉に、〈ま、いいか〉と。ファーストクラスのチケットもくれたし。

僕の名前は真亜都明良。17才。
アメリカで有名なふたつの大学と院をスキップで終了した、俗に言う天才児というヤツだ。
別に自慢してる訳じゃない。
子供の頃は辛い事も少なくなかった。周囲の無理解は本人も家族をも傷つける。
僕の場合は同じ天才児だった叔父が早くに気づいて引き取ってくれたので事なきを得たわけだけど。
僕はIQが高いだけじゃなくて見たもの、読んだもの、聞いた事をすべて記憶することができるんだ。
今、所属している大学には僕を研究する部署があるくらい。
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