マアト・ラーの夫君たち (エジプトBL)

□ヒトと獣と
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早朝のひんやりとした空気に身じろいだ新妻の
小さな身体に布を掛けてやり抱き込む。
今はまだ早すぎるほど早朝だが今日は午後から
例の会議がある。
正直なところ行きたくない。
いや、ここから動きたくない。
正確にはアキラの側から離れたくない。
新枕を交わした妻を残して出掛けなければならないこの苦しみ。
せめて言葉を交わすことができるなら…

もそもそと動き出したアキラを改めて抱き締めようとすると、
「セティ?」
「すまない、起こしたか?」
アキラは頭を振りながら両手を延ばしてきた。
繊手がセテフの首に廻り桃色の唇が黒い唇に触れる。
唇と唇が、触れ合いから舌を絡めあい、吸い合い
、唾液を交わし合う。
「ラー…ダメだよ…また…奪ってしまう。」
「奪って…」
「っ‼︎ 」
覆い被さってきたセテフの背中に腕を廻し口づけを強請る。
「ラー、今日は出掛けなければならない…
抱き潰して眠ったままのあなたを残して行けない。」
「セティ…すき。」
「困った子だね。」

セテフの舌が白い肌の上を滑るように嘗めていく。
痛々しい肩の傷を見る度に胸が痛む。
アキラは痛むそぶりこそ見せないが痛まない筈は無いのだ。
あのバカ甥が囓りついた。
肉を喰い千切られなかっただけ僥倖か。
患部にそっと口づけて、セテフは膝を割り広げた。
彼の蕾は今だ柔らかく蕩けて待ち望んでいる。
その蜜壺に己を沈め、ゆっくりと抽挿を始めた。
挿入の衝撃でアキラは薄い白濁を噴き上げた。
「ほら…もう達してしまって…最後まで意識が持つかな?」
セテフの甘い甘い囁き。
浅いところをゆっくり擦られて穏やかに登りつめていくアキラ。
「セティ…セティ…」
「善いかい?」
「頂戴…セティ…もっと。」
『まったく、覚えが早すぎる。』と、
苦笑いするセテフ。
朝の交わりの時はまったりと過ぎていく。
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