マアト・ラーの夫君たち (エジプトBL)

□砂漠の悪魔
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今回は蛇人が登場します。
苦手な方はお気をつけ下さい。


広大な砂漠地帯の一画、砂岩で出来た岩山をくり抜いて造られた岩城。
その地下深くに隠されるように佇む水晶の宮《クリスタル・パレス》。
主の為の居住区の、奥まった一室。
巨大な一枚岩の水晶の褥に一人の麗人が横たわっていた。
ふいに開いた瞼に隠されていた瞳は緋色。
上体を起こした彼の裸身を覆うように流れ落ちた白銀の髪を、鬱陶しそうに掻きあげると立ちあがった。
瞳の色以外は全身白く見えるその身体は、首から下には細かい鱗がびっしりと生えている。
その鱗が、照明の灯りや日の光を弾いて虹色に輝く事を知る者はいない。
傍の長衣を身に着けると扉へ向かって歩きだした。
引き摺られた白銀の髪がさらさらと音をたてる。
「今回は長うごさいましたな。」
「ご無事で何よりでございます。」
扉の外に控えていた数人の老人が礼をとる。
鷹揚に頷くと彼らを従えて歩き出した。
「我が不在の間、何か変わった事はなかったか? 」
「鰐王様からお使者が。
王は暫くお出ましになれぬ、と申しましたらお帰りになりました。」
鰐王セベク。
数少ない昔馴染み。
同じ有鱗種ゆえか何かと気にかけてくれる貴重な友。
「その暫く後にデンウェン殿が参られました。」
それこそ珍しい……
我ら蛇族の遠い、遠い親戚 “ 蛇竜 ”。
気まぐれな彼とはもう何十年振りだろうか。
「一体何事が起こっている? 」


「やだー!やだやだ‼︎ 絶対にいくのー! 」
夕餉の宴の後、ゆったりとした雰囲気のなか、大人は酒を嗜んでいる。
特別に幼体のアペデマクも参加を許されていたのだが……
初めはいつものおねだりで始まった。
ぜひ、真直でコックピットが見たい。
だから明朝、帰郷するアペデマクに同行したいと。
鰐王の膝の上で、上目遣いに見上げるアキラに鰐王はおろかセテフもアビスも否と言う。
どちらかといえば言い出した事は引かない、見かけによらず頑固なアキラも
食ってかかる。
「ちょっと見に行くだけじゃんか!
心配だったらアビスにでもついてきて貰えばいいし、デンウェンに迎えに来てもらえばいいじゃん! 」
鰐王のこめかみに血管が浮いた。
「駄目だと言っているだろうが‼︎ 」
ついに鰐王の雷が落ちた。
「きゃん! 」
身を竦ませたアキラを小脇に抱えて立ち上がるセベク。
慌てて後に続こうと立ち上がったアビスに向かってアキラを投げた。
ーーーー投げた。
勿論、アビスは事も無げに受け止めたが投げられた本人は硬直している。
「明日は足腰立たないくらいガンガン
にヤってこい。」
セベクの言葉に頷くアビスと笑むセテフ。
ジャッカルの饗宴が始まる。


「鰐王からのお許しも出た事だし、今夜はたっぷり堪能させて貰おうかな。」
アキラを肩に担いだアビスが嬉しそうに言う。
「たっぷりなんかいいから!堪能なんてしなくていいからーっ! 」
耳元でバタバタ暴れるアキラの事はあくまでも無視。
「ふふ……アキラ……たーっぷり可愛がってあげる…… 」
こちらは、もう完全に淫靡モードに入っているセテフ。
「ね、僕セベクに謝りに行って来るから、降ろして? 」
アビスの背中をパタパタ叩いて、これまたおねだりモード。
「何バカな事言ってんだよ。
逃げ出す気かぁ?
お前、タウエレトやデンウェンにヤられたいのかよ?
鰐王に捕まったらあの場で犯されるぞ。」
「ふぇ…… 」
そうこうするうちにアビスに与えられた客間の寝室の褥の前。
アキラの身体が宙を舞いぽふりと褥の上に落ちる。
間髪いれず、アビスが覆い被さって来て両手を拘束した。
セテフが帯をほどき、衣を剥いでしまう。
アビスの舌がアキラの形の良い耳を捉えて嘗めまわす。
その形状が獣のものに近づいて、ざらざらの突起が心地よい。
首筋から肩の傷痕まで嘗められて、涙目でアビスを睨んだ。
「そんな可愛い顔で見るなよ。
このまま犯すぞ? 」
アキラの腰布を取り払い脚を大きく拡げる。
指で蕾を探って内膣の滑りを確かめると、そのまま一気に突き込んだ。
「ああぁっ! 」
桃色の花芯から白蜜が迸る。
「アキラぁ……好きだ。」
身体を折ってアキラの耳元で囁く声に、背筋をゾクリとさせ男膣《なか》を締めつけた。
「っ ‼︎ 」
「アビスぅ……きもち……いいよぉ。」
白い喉を仰け反らせ喘ぐ唇をセテフが塞ぐ。
その間、アビスは自らの剛直を奥の奥まで突き込んで自分を桃源郷に運んでくれるアノ場所を探った。
あそこに嵌め込んで、さらにその先を攪拌すると得も言われぬ快感に包まれる。
“ ずっと嵌めて律動していたい。”
これは紛れもなく本心からで、アビスやセテフにはその能力も体力もある。
そう、余りあるほどに。
アキラの方はというと、こちらも堪らなく良いらしく、感じまくって早々に意識を失った。
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