マアト・ラーの夫君たち (エジプトBL)

□彷徨うもの
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漸く、夜半に到着したネフェルテムをネクベトが出迎えた。
実はネフェルテム、傷の治療が一段落すると同時に領地内の辺境に住むコブラ族の長老の元に預けられていた。
……決して、母ヴァジェトに疎まれたわけではない。
彼女は今回の件をきっかけに己が嫡子に帝王学を授けようと決心したのだ。

所在地が遠方だった為、招へいに時間がかかってしまった。
セテフの機転?で熱は下がったようだが近因は解消されていない。
ネフェルテムは緊張した面持ちで母の元に案内されていった。



セテフとアキラが寝所に戻ってみると、そこで出迎えたのは先ほど氷を運んで来た二人、ホルとトートだった。

「トート! ホル ‼︎ 」
セテフの腕から、逃れるように滑り降りたアキラが差し出されたホルの腕の中に飛び込んだ。
途端に仏頂面になり、機嫌を急降下させるセテフの怒りのオーラが凄まじい。
思わず逃げ出したくなるトートだったが、あえてセテフとアキラの中間に位置した。

このままではセテフの負の気に当てられてアキラが怯えてしまう……
そう考えての措置だった。


「アキラ……起きて大丈夫なのか? 」
膝裏に腕を回してアキラを抱き上げると褥の間へと向かう。
本体が鳥類であるホルは普段はアキラより体温が高い。
それが……今は自分とほぼ同じか、やや高いか。
うっすらと汗をかいたアキラを、自らが運んだ氷を使った氷水に手布を浸けて絞り、身体を拭いてやる。
先ほどの、セテフとの交合の際につけられた所有痕の散る身体……
おもむろに、アキラの身体を褥に押し倒し覆い被さって桃色の乳首に吸いついた。
かろうじて、セテフの愛痕のついていない可憐な胸の飾りを舌の先で転がしてアキラを喘がせる。
乳輪が、まるで年若い少女のようにぷっくりと膨らんで愛らしい。
アキラは、上気した頬、潤んだ瞳でホルを “ 誘うように ”見つめてくる。

「アキラ……いいのか?」



セベクの居間での二人。
先ほどまで、泣き濡れていた人物とは思えないほどの変わり様。
暗紅色の瞳をギラギラと輝かせて “ 後始末 ”の事を潜考しているヘデデトに声を掛けるのも躊躇われる。

「どうするつもりだ? 」
「アキラが一体誰のものか、知らしめればよいのだろう? 」
……それと、少しでもアキラを脅かせた場合の “ 罰 ”
思い浮かべるのも恐ろしい、おぞましい目にあわせてくれるわ……と、凶王は狂暴な笑みを浮かべた。



「〜〜〜ッ! 」
大きく開かれた脚がゆらゆらと揺れている。
嬌声は口づけで塞がれて、身体の中心に凶暴な杭を打ち込まれ啼くことも許されぬ…

アキラは狂いそうな快感のなかに堕ちていった。
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