獅子王の臥所

□獅子王の臥所 1
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メロエの外れに王家の離宮がある。
厳重に警備されているそこは、黄金の天女の住まいなのだが実質、獅子王の座所となっている。
一族に莫大な富をもたらした天女を誰が蔑ろに出来るだろうか。
年下の王は己を磨き、すべてを賭けて天女を勝ち取った。


「アペ、アペ…… 」
バオバブの木蔭で獣体のアペデマクにもたれかかり琥珀色の体毛を梳いてやっている。
そんなアキラを目を細めて見つめる雄獅子。
子供の頃から好きだった。
……今は、俺の伴侶。

繊指が俺の躯の上を滑り、俺の “ 好き ”なところを軽く掻いてくれる。
「天女さま…… 」
腹を見せるのも彼の方のみ。
「アペは相変わらず甘えただなぁ。」
目立たない所に控える護衛が震撼するような言葉を平気で口にする。
ゴロゴロと喉を鳴らし天女の膝に己の鼻面を擦りつける獅子王の姿こそ驚愕ものだが。

ふいにヒトガタに戻ったアペデマクがアキラを抱いて立ち上がる。


猫科の、あの独特の舌で嘗め回されて、それだけでアキラは白蜜を噴き上げてしまう事がある。
今もあまり色をのせない愛蜜を残らず嘗め取って、アペデマクは興奮を高めている。
「天女さま…… 」
「あ……あ……アペっ! 」
舌先で蕾を刺激し、徐々に寛げていく。
アキラの花芯がドクンと震え、鈴口から蜜が溢れる。
また、逝ったのだ。
アペデマクはアキラの射精後の弛緩した蕾に己の舌を挿し込んだ。

逝ったばかりの身体に許容量を超えた快楽がもたらされて、アキラの身体が痙攣する。
舌のざらつきが前立腺を捉え、アキラの花芯からピュっと白蜜が飛んだ。
それが最後の一滴だった。
その後、アキラの花芯がビクビク震えることはあっても溢すことはない。
まだ夜は始まってもいないのに……

長くて太い舌に蜜壺を蹂躙されている。
舌先が器用に奥の括れを探り、アキラを善がらせる。
同時にアキラの愛液も啜り、閨の間では淫猥な水音が響いていた。
ふたりの交わりには潤滑の為の蜜など必要ない。
たっぷりの愛液がアペデマクの侵入を楽なものにしていた。
今もアペデマクのギンギンに猛った剛直がアキラの男膣《なか》に呑み込まれていく。
「あ……アペ……アペ…… 」
挿入の衝撃だけでまた逝ってしまったアキラだが、もう射精することが叶わず空イキとなる。
一気に奥まで突かれて仰け反り、引き出される時の棘の痛みに喘ぐ。
「天女さま……アキラっ! 」
アペデマクがアキラの名を呼ぶのは、閨の間でのこのひとときだけ。

肉棘のびっしりと生えた剛直が隘路を行き来している。
痛みはさほど経たずに快楽に変わり、アキラは啼かされる。
「アキラ……アキラ……アキラ……‼︎ 」
ガツガツと抉るように抽挿しながら括れの奥を探ろうとしているアペデマク。
彼はその先がどれほど甘美か、身を以て体験している。
そして己の棘がどのような反応をもたらすか、も。
アキラが感じ過ぎて蜜壺を締めつけてしまって、結果棘をより深く感じてしまい、また締めつける。
まるで淫靡のデススパイラル。
ふたりは悦楽地獄へ堕ちていく。

アペデマクの剛直がするりと括れを通り抜けた。
返りに棘が括れを擦っていく。
「ーーーっ‼︎ 」
ガクガクと身体を痙攣させ涙を溢れさせるアキラ。
声にならない悲鳴、呑み込めない唾液が口角から滴り落ちる。
アペデマクの無慈悲さすら感じさせる抽挿が始まり、アキラは逃れようと捥がくが、拘束が強まり、ますます激しく腰が打ちつけられた。
押し退けようとしてもびくともしない厚い胸板、見事に割れた腹筋。
「キモチイイよ……アペ……イイよぉ……」
ニヤリと嗤ったアペデマクが身体を密着させてさらに結合を深くする。
アキラの手が伸びて、今まで届かなかった背中に爪をたてた。
獅子王が歓喜の咆哮をあげる。
アキラの爪をその背に食い込ませたまま、ますます激しく剛直を突き立てるアペデマクはそのまま登りつめていく。


意識のないアキラから一度剛直を抜き出した。
あれから三度極めて漸く人心地ついた。
愛しげに抱き締めて口づける。
その位では目覚めないアキラの咥内を犯して、その唾液を味わった。

アペデマクは腕の中のアキラの事が愛しくて堪らない。
もう少し休ませてやって……
目覚めたら共に湯浴みをして、食事をして
また、交わる。
想像しただけで勃起し、棘を震わす剛直を慎ましく閉じていた蕾に押しつける。
ずぶずぶと呑み込まれていく己自身を再び律動させるアペデマク。

獅子の饗宴は毀れるまで終わらないのだろうか……。
 

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