ーbirthdayー

□ーbirthdayー
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このお話は本編と全く連動しておりません。
全く別個の物語です。



先日、僕はおばばから大変な事を聞いた。
……それは、セベクの “ 誕生日 ” ……


鰐の一族の誕生日はある時期に固まっている。
……何故ならば、彼らには本来発情期があるから。
ヒトガタをとっているもの達は、男性体に関しては発情期の縛りはないみたいだけど(受精させる確率は発情期の方が格段にあがる。)女性体は発情期でないと排卵しない。
だから……毎年一定の期間にやってくる発情期に受精した卵が孵るのも一定の期間であって……

その約ひと月の間は “ 生誕の刻 ”といって特別なのだという。
毎日が誰かの誕生日。
それに併せて行われる “ 成人の儀 ”は……


セベクの誕生日はなんとかという星がなんとかで……とにかく特別な日らしい。

ここから僕はセベクへのプレゼントに頭を悩ます事になる。


随分と考えてみたのだけど、肝心なときには働いてくれないんだな……
僕のあ・た・ま。

で、ベタなシチュにはベタなプレゼントしか思い浮かばなかったわけ……です。


今はセティがアヌビスに帰っているので中洲にはアビスが残っている。
僕はアビスにお願いして色々お手伝いしてもらった。
代償は……考えるだけで怖いよ……。


宴は、生まれた日が近いひとたちも招かれて、敷地内に屋台なんかも出ている、それはそれは賑やかなものだった。
いつもは後ろに控えているハニさんも僕達に近いところの席に着いていた。

夜も更けてきて、宴も終盤となり僕はこっそりと会場を抜け出した。
慌てて寝所へ戻り、おばばに手伝って貰って準備する。
すべてを調えた僕は位置に着いてセベクを待った。


sideセベク
気づくとアキラの姿が見えなかった。
酒に酔って気分でも悪くしているのではないだろうか?
すぐにでも追いかけて行きたかったが酒宴はまだ続いている。
なるべく早く追いかけたいのだが。


やっと戻った閨の間は仄暗く灯りが落とされていた。
老女に渡された燭台を持って足早に褥へと向かう。
そこには薄布の上掛けで全身を覆って丸くなるアキラの姿があった。
「アキラ……? 気分が悪いのか? 」
セベクは燭台を置いて褥に腰掛けた。

上掛けに手をかけると、なかでアキラが身じろぎして……突然、飛び出て来た!


桃色の艶やかな幅広の布を腰や胸の際どいところに巻いて首で蝶結びにしている。
セベクを見上げる目は潤み、頬は朱く染まっている。
「え……と。改めてお誕生日おめでとう。
あの……さっき渡した “ 剣 ” だけじゃなくて……本当は “ こっち ”がメインなの。」
セベクの眉尾が訝しげにあがる。
「僕を……僕を貰って下さいッ ‼︎ 」

目を丸くしていたセベクの手が伸びて蝶結びを引っ張った。
そうしてほどけた布が足元に落ちていく。
「アキラ…… 」
セベクが絶句している。
アキラは朱くなったり、青くなったりして自分が “ スベった ” かと自問自答していた。
セベクの顔が見れない。
「アキラ…… 」
大きな手に二の腕を掴まれ逞しい胸に抱き寄せられた。
頤を持ち上げられる。

「貰い受ける。
アキラ……俺は、これほど嬉しい贈り物ははじめてだ。
生涯大切にする。」
唇が重ねられる……


口づけが解かれ自由になったアキラの唇がセベクの耳朶に触れた。
仔犬のような舌が触れたかと思うと、次の瞬間首筋に吸いついていた。

今、アキラがセベクに奉仕している。
……奉仕というよりはじゃれついているに近いが。

セベクには乳首も臍も無いので、アキラの唇は直接セベクの鈴口に吸いつく。
アキラの口にはこれ以上入らないので、カリの上部を舐めるか、一度口を離してハーモニカのように横から咥えるか、雁首の括れに舌を這わす事も出来る。
もしくは鈴口をちゅうちゅう吸うか、鈴口に舌先を挿し込むか。

拙い仕草でひたすら口淫してくれるアキラの横顔を見ているだけでセベクはイキそうになる。
セベクの鱗の生えた剛直が、白い奔流を迸らせたいと震え出したのを見て、アキラはセベクの腰に跨った。
「アキラ……? おまえ…… 」

そそり立つ剛直に腰を下ろして自ら呑み込んでいく。
「こら! 無茶するな……アキラ! 」
自重をかけて挿入れていく。
「ああぁーーーっ! うぁーーっ ‼︎ 」
涙を流し、唾液を溢し、身体をガタガタと震わすアキラは今、壮絶な痛みと同時に激烈な絶頂を感じていた。
セベクの二の腕を掴んでしがみつきながらふたりの腹の合わさに白蜜を吐き出しながら痙攣していた。

つられて逐情したセベクは搾るように蠕動するアキラの蜜壺にすべてを注ぎ込んだのだった。
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