低級ノルウェー語講座
□低級ノルウェー語講座(改訂版)
補遺四
紛らわしいのは好かんでなべや?
ノルウェー語とスウェーデン語とデンマーク語は区別が付きにくいと言われます
お互いに支配したりされたりする度にそれぞれの国の公用語を強制し合った結果でしょう
因みにノルウェー語は印欧祖語から派生したゲルマン祖語から分かれたノルド祖語に由来するゲルマン語の内の北ゲルマン語に属します
北ゲルマン語はノルド語とも呼ばれます
ノルド諸語にはノルウェー語、デンマーク語、スウェーデン語の他にフェロー語とアイスランド語が含まれます
この内、最も古い形を残しているのはアイスランド語だとか
小難しい理屈を語っていてもノルウェー語とスウェーデン語、デンマーク語の区別を付けるのには、何の役にも立ちません(笑)
今のネット社会、当然に「どうやって見分けるのか」という質問があちこちでされています
その回答として以下のようなものがよく見受けられますね
`スウェーデン語とデンマーク語の区別を付けるのは難しいが、ノルウェー語だけは簡単に分かる
何故ならば、ノルウェー語は母音にアクセント記号が付いているから´
………………………(-_-゙
ある程度ノルウェー語に触れた方ならば分かるでしょうが、母音にアクセント記号が付いているなんて特徴はありません
何がネタ元になっているのか知りませんが、オイラには悪質なデマにさえ思えます
確かにノルウェー語には必ずアクセント記号を付けなければならない単語は存在します
「考え、アイデア」という意味の単語
idé [イデー]
は`-e´の上にアクセント記号を付けなければなりません
付けないと
ide [イーア]
という「渦」の意味を持つ別の単語になってしまいます
また、`en´という単語は不定冠詞や不定代名詞としても用いられるために、特に数詞の「1」を表す時にはアクセントを付ける場合もあります
以上のようにアクセント記号が付くのは限られた単語であったり区別が必要な場合です
それも全ての母音ではなくて`e´だけです(だから、「渦」の意味の`ide´で`i´にアクセント記号は付けない)
いかに上記の回答がいい加減なものか、分かっていただけたでしょうか
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