低級ノルウェー語講座

□低級ノルウェー語講座(改訂版)

テキストによっては定形の名詞を「その○○」と表現しています
例えば「本を貸してくれ」と言った時に、「どれでもいいから君の本を貸して」という場面もあれば、「君が今、手に持っているその本を貸して」という場面もあるでしょう
後者の「その本」のように特定の何かを指す場合に使われるのが定形です

或いは不定形を未知形、定形を既知形とも言います
つまり会話で最初に出てきた段階では未知形を使い、続いてその物について語る時には既知形を使うのです

「昔々ある所におじいさん(未知形)とおばあさん(未知形)が住んでいました
そのおじいさん(既知形)は山へ柴刈りに、そのおばあさん(既知形)は川へ洗濯に行きました」

という感じでしょうか



定冠詞と言うと`the´を連想する方も多いでしょう
単語の前に置いて「これぞ○○」と言う時に使いますますね
日本語でも「THE MANZAI」のように使われます

ノルウェー語にもそういう「the定冠詞」(笑)のような言葉があります

 den blyanten

 den boka

 det papiret

男性名詞と女性名詞に使うのは`den´で中性名詞では`det´です
`den´や`det´は「それ・その」という代名詞としても使われます

 Den er en blyant.
  それは鉛筆です

それから注意しなければならないのは、`det´は中性の代名詞としてだけではなく、英語の`it´のように様々な使われ方をします
例えば挨拶文で紹介した

 Hvordan har du det?

この`det´には具体的に指すものはありません
体調であったり気分であったり、或いは運気とでも言うような仕事や勉強の近況等、漠然とした「調子」を尋ねています
こうと決まったものはないけれど目的語がなくては文にならないから「それ」を置いているのですね

また疑問文に対して

 Ja,det er det.
  うん、そうだよ
  (英語のYes,it is.)

と答える場合
この`det´は疑問文全体を受けていますね

更には

 Det regner.
  雨が降っている

のように形式上の主語としても使われます

と、いちいち書くと厄介そうですが、ノルウェー語の文章において`det´はあまりに頻出するので、当たり前過ぎて意識する必要も感じなくなるでしょう(爆)

ついでなので説明すると、「あれ・あの」も`den´(男性・女性)・`det´(中性)です
「これ・この」は`denne´(男性・女性)・`dette´(中性)になります
つまりノルウェー語では自分の近くにあるか、自分から遠くにあるか、の二つの指示代名詞しかないと言えます
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