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□Happy birthday to you !!
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冬の寒さがいっそう強くなっている。
しかし、こんな寒い日にも彼らは負けないのである。
「ナニワのスピードスターをなめたらアカンでー!!」
「ケンヤさんうっさいっすわ。少し黙ってください」
謙也&財前VS白石&千歳の試合。
コートに響くのは謙也の叫びと財前の冷めた声と…
「ひかるー!がんばってー!!」
テニス部マネージャー兼財前の彼女の華菜の応援の声だけだった。
「財前のひいきはアカンと…ちゃうん!?」
白石はそう言いながらボールを打ち返した。
そして、そのボールはコート内で1回はずみ、外に飛んでいった。
「俺らの勝ち、やな」
「謙也、叫んだ意味あったとね?」
「う…うっさいわ!!」
「もともとこの試合は俺らか20分で勝つって決まってたとよ」
「なんやて!?」
謙也が1人でグチグチ言い始めたので
千歳は適当に聞き流し始め、
財前はその場を後にし、華菜のところに向かった
「お疲れ様」
「おおきに」
渡されたタオルを無愛想に受け取り、財前は汗をふいた。
この無愛想さは財前の照れ隠しなので華菜は何も言わなかった。
「楽しそうだったね白石たちとの試合」
「まあな。だってテニスは楽しむもんやろ?」
「あ……うん、そうだね」
財前に正論を返され、華菜は言葉を続けられずに会話は終了した。