おりまに(過去&未来)

□真庭小鳥の場合
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「いつかとおさまみたいになるの!」

そう言ったのはまだ幼い女の子。
名を真庭小鳥という。
今は家でお昼ご飯を食べていた。
ご飯を食べながら母親と父親の話をしていた。
彼女の憧れは父親である―――だ。
突然

「お前にそれは無理だろ」

と兄である駒鳥が言った。
先程までいなかったのにいつの間に…

「できるよ!とおさまが頑張って修行すれば出来るって言ってたもの!」
「はいはい、お前運動神経のないから怪我しないようにな」
「うるさい!」

ちゃぶ台を投げた。
ちゃぶ台は駒鳥に当たることなく障子を破壊した。
投げた衝撃で食器は飛び散り粉々に…

「小鳥、お前ほんとに危ないな!」

駒鳥はそう言うと逃げていった。

「あーあ……」
「かあさままたやっちゃった…」

ごめんなさいと泣きながら言うと母親に抱きついた。
よしよしと頭を撫でてくれた。

「ほんと…似て欲しくないところが似ちゃったな」

アハハ…
母親は大きな穴のあいた障子を見たのだった。
 

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