過去と未来と今

□※仁王の気になる事
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部室で1人書類の整理をしていた時の事…

「なあかな。」
「何ですか?仁王先輩」

くるりと振り返りながらかなは言った。
部室の入り口には仁王が立っている。
外ではテニス部の練習している音が聞こえるので、サボりに来たんだと思った。

「幸村やブン太とはどこまでいったんじゃ?」
「え?」

突然何の話だと思いつつも、しばらくかなは考えた。
かなはなにか思い出そうとしている。
仁王はそんなに考えるほどかと思った。

「えっと…ですね。ブンにいとは大阪までで、精市とは…東京の遊園地に行きました。」
「え?」

仁王は理解するのに少し時間掛かった。
思っていたのと違う答えが来た。
かなは違う意味で捉えてしまった。

「どこに行ったじゃなくてのう…うーん」
「2人に聞いたほうがいいと思いますけど…」
「2人がかなの方が、覚えとるって言ってたんじゃ。」

実際はこんな事、2人に聞いた事もない。
聞けるわけない。
そう思っていると、またかなは考え始めた。

「どこまで行った……」
「じゃから、その行ったじゃなくてのう…手は繋いだ事あるのか?」
「ありますよ」

ふと思い出したのか、かなは照れた。
その表情が可愛いと思う仁王がいた。

「じゃあのう……2人とキスはしたことあるのか?」
「えっ?あ……ありますけど…」
「ブン太ともあるのか?」
「はい、小さいときから……」
「じゃあ、幸村と最後にしたのいつじゃ?」
「えっ…あ、えっと…」

思い出しているのか、どんどん顔が真っ赤になっていく。
これはさっきした感じじゃなと思った。

「部活始まる前じゃろ?」
「な、なんで!?分かったんですか!?」
「かなは分かりやすすぎるんじゃ。」

かなは真っ赤な顔で俯いている。
ゆっくりかなに近付いていく。
そして頭を撫でてみた。
ビクッとして、かなは頭を上げた。
身長差がある関係でどうしても上目遣いになる。

「…そんな目で俺を見るんじゃない」
「えっ?」
「襲ってしまうじゃろ」
「あ…えっと…」

仁王はかなをジーっと見た。
かなは困っているようでキョロキョロしていた。
そして逃げた。
ポワポワしていても、走るの早いので勢いよく部室のドアを開けて出ていた。

「照れてて可愛かったのう」

この後すぐ
まずサボった為、真田の鉄拳制裁を受け、
すごく怒っている幸村とボロボロになるまで練習したことは、言うまでもない
しかも、幸村はこのことをしばらく根に持っていた。

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