過去と未来と今

□※ブン太の恋
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それはある夜の事
俺のベッドでゴロゴロしているかな。
こいつはどうしてこんなに無防備なのだろうか。
そして俺は、赤也から借りた漫画を読んでいる。

「ひまだー」

俺のベッドでゴロゴロしているかなが言った。
買い物に行こうとしていたのに、雨降ったからとか言って俺の部屋に来た。
そしてベッドに入り込んでゴロゴロ…

「あっ!ブンにいって彼女作らないの?」
「お前には関係ねえだろ」

読んでいる漫画から目を離さないで言った。

「クラスの女子がね、丸井先輩カッコいいって言ってて、付き合いたいって言ってるんだ。」
「へー」

たしかに、たまに女子に告白されるし、お菓子くれる子もいるけどよ。
でもよ…

「好きな人はいるの?」
「あー、いるよ」

今日のこいつどんどん聞いてくるな。
俺が漫画を置いたときには

「どんな子なの?」

って…
俺はかなを見た。
かなはすごく楽しそう。

「教えてほしいのかよ」
「うん!」
「しょうがねえな。可愛くて、お菓子くれて、俺の好きなものがわかる奴」

ふむふむとか言って、しかもメモ取っている。
誰かに聞いて来いとか言われたのか?

「ブンにいがすきそうな感じだね。」
「あっ…そうだな」

鈍感すぎるだろ…
でも、かなにとっての俺は兄でしかない。
俺は立ち上がりベッドに歩いた。
そして寝転んでいたかなに馬乗りになった。

「ま……まさか…それだけは、やめて」

かなが下からそんな事言った。
でも、やめてやんねえ。

「俺を怒らせたかなが悪い」

そしてかなの脇をくすぐった。
やめてとか死ぬとかいいながら笑っているそんなかなが可愛い。
あんまりやると可愛そうだから、やめてやってかなの事を見た。
顔真っ赤にして呼吸を整えてる。
そんなかなに抱きついて

「腹減った。なんか作って」

と言った。
すぐにモゾモゾと少し動いていたけど、すぐに止まった。

「わ、わかった、ブンにい動けないから、どいて」
「ん?わかったよ」

起き上がるついでに、かなの額に軽くキスをした。
これ小さいときからよくやっていたせいで、かなは普通のことだと思っている。
そして俺がどくとかなは起き上がった。

「適当に作ってくるね」

と言って部屋から出て行った。
そして俺はベッドに寝転んだ。

「かなのバカ……」

俺が幸村クンに勝てる実力があれば、よかったのかな……

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