過去と未来と今

□※ある日の昼休み
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ある昼休み……
幸村は2年D組の教室の前にいた。
そして教室に入ると女子の黄色い声が響いた。
しかしそんなこと気にしないで、まっすぐにかなのところにいった。
前の席は赤也が座っている。
この前の席替えでそうなったと言っていた。
そして、2人して寝ている。

「ほら、赤也起きろ。」
「あっ、幸村部長…」

幸村は赤也をたたき起こした。

「席譲ってくれるかな?」
「あ…はい」

赤也は立ち上がり席を譲った。
かなはまだ机に突っ伏して寝ている。
そして幸村は、赤也の席に座るとかなの体をゆすった。

「かなちゃん起きて」

でも起きる気配はない。
しばらく揺すってみたが、むにゃむにゃ言って起きてくれない。
するとかなの耳元で……

「起きないとキスしちゃうよ」

といった。
近くにいた赤也にも聞こえないような声で。
するとかなが少し動いた。

「う……うーん…にゅきむら?」
「そうだよ。」
「…………え?」

ゆっくりかなが顔を上げた。
幸村がジーと見ている。

「えっ!?」

あわてて立ち上がった。
一瞬で目が覚めてしまった。

「な…なんでここにいるの!?」
「え?今日は俺とご飯食べるって約束したのに来てくれないんだもん」
「あっ!ごめん。すぐに行く!」

机の横に引っ掛けていたバッグの中からお弁当の入っているトートバッグを出した。

「ふふ…じゃ行こうか」

幸村はかなの手を取って教室から出て行った。
その時もまた女子の黄色い声がうるさかったが、気にしなかった。
その後赤也は二度寝をした。

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