立海

□プレゼント
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「幸村、少し遅れちゃったけど、誕生日おめでとう!」

華菜は幸村に小さな箱を渡した。
幸村はその箱をじっと見ていたからため息をひとつ。

「……華菜は俺の誕生日ちゃんと知ってるよね」
「うん、3月5日でしょ」
「そうだよ。なぜ、その日に渡さない?」
「……それは…」

風邪引いて休んでたから……
と言ったが幸村には聞こえなかった。

「そうか、忘れてたんだね、彼氏の誕生日を。」
「忘れてないよ!」
「なら、当日に渡すはずだよね。」

幸村は笑って言った。
華菜はなぜか怖いとしか思えない。
幸村の周りに黒いものが見えるような気がする。

「…ごめん…ね」

華菜はそういいながら一歩後ろにさがる。

「なんで、逃げるんだい?」

幸村は華菜の腕を掴んだ。
そして
「それじゃ、いこっか。」
と言って腕を引っ張っていく……

「幸村どこに行くつもりなの?」
「華菜にお仕置きするんだよ」

幸村はそういってまた笑った。
華菜はこの日帰れなかったという。
 

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