立海

□勘違い
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「……それでね!ブン太先輩が付き合ってくれるんだって!!」
「はぁ?」

校舎の屋上で弁当を食べながら、幼馴染の話を適当に流していたら突然の発言。

「だから、ブン太先輩が付き合ってくれるんだって」
「俺そんな話聞いてないぞ!」
「だって言ってないもん。赤也に言っても…」
「はあ?俺そんなこと認めないからな!」

そう言って俺は弁当をまとめこの場から去った。
イライラして一緒にいたくなかった。
この後の授業の内容はまったく入ってこなかった。

そして部活の時間。
華菜はテニスコートにいた。
まあ、マネージャーだからいて当たり前なのだが…
テニスにも集中できねえ…
少し離れたところには華菜と丸井先輩がいる。
ニコニコしながら話してんじゃねーよ

「おい赤也!どこ見ている!」
「うるせーな!なんだよ!」

怒鳴っちまった…
しかも真田副部長に…
この瞬間テニスコートが静かになった。

「おい!赤也!ちょっと来い」

俺は連れていかれた。
怒られた。
それは部活が終わるまで続いた。

「赤也何かあったのか?」

丸井先輩が俺に話しかけてきた。

「ありましたよ!」

丸井先輩のせいですけどね!

「華菜も心配してた…」
「そうっすか」
「おまえ華菜と喧嘩したのか?」

イラッ

「丸井先輩が華菜と付き合ったからですよ!」
「はぁ?」

何の話みたいな顔している。
とぼけるとか

「とぼけないでくださいよ!
華菜から聞きましたよ!丸井先輩と付き合うって!!」
「何の話かわかんねえけど、赤也、なにか誤解してねえか?」
「はあ?」
「俺華菜とケーキバイキング行くって約束したけど、付き合うとは言ってないぞ」

え?
は?

「おい華菜!」

部室を飛び出した。
そしてコートで片づけをしている華菜のところに走った。

「赤也どうしたの?」

華菜がこっちを見る。

「昼休みに言ってた丸井先輩と付き合うって……」
「あー行きたいケーキバイキングがあって、ブン太先輩に相談したら一緒に行ってくれるって話だけど?」
「恋人になったんじゃ…」
「いやいや!ただケーキ食べに行くだけだよ。なに言ってんの」


か…勘違いだった。
このあと先輩達にからかわれたのは言うまでもない。

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