立海

□後ろをついてきたあの子…
1ページ/2ページ

毎日のように

「切原先輩!」

と言ってトコトコと、俺の後ろをついてくる1人の小さい女子がいた。
名前は知らない。
知っているのは1年生という事くらい。
ついてくる事に対しては、嫌ではないのでほっといていた。
俺がテニスの練習試合をすれば、誰よりも俺の事を応援してくれた。
誰よりも…

でもある日突然練習を見に来なくなった。
後ろをついても来ないし…
クラスは知らないし、別にほかにも応援してくれる奴がいるから…
そう思ってんのに、歩いているときに後ろを振り返ってしまうし
テニスコートにつくと姿を探してしまう
でもあの子はいない。

「はぁ…」

思わず溜息が出た。
最近たるんどるぞ!とか言われ真田副部長に何度か殴られた。
でも、考えてしまう。
俺の事なのに、あの子の事を考えてしまう理由がわかんねえ。

「赤也最近あの子来ないから寂しいのかよ」

丸井先輩が近付いてきて言った。
いつものようにガムを噛んでいる。

「別に、寂しくなんてないっすよ」
「へーそうなんだ。」

丸井先輩はプーっとガムを膨らませた。

「迷惑だったんで、来ないでいいっす」
「じゃあよかったな、あの子二度と来ないだろうから」
「は?」
「だってあの子は…」
「おいブン太!その話すんなって言われただろ!」

突然ジャッカル先輩が来て、丸井先輩に言った。
何の話してんだ?
何を知っているんだ?

「おっと、そうだった。じゃあな赤也。」
「待ってくださいよ。言いかけたこと教えてくださいよ」

この場から立ち去ろうとした丸井先輩に言った。
しばらく丸井先輩は俺の事を見ていたが言った。

「赤也迷惑だって言ってんだぜ。言っていいだろ」
「でも、柳は言うなって…」

丸井先輩とジャッカル先輩がそんな話しをしている。
俺に隠してることがあるのか?
そう思ったとき

「なあ、赤也はあの子の事なんとも思ってねえだろ?」

と丸井先輩が言った。

「なんとも思ってないっすよ」

俺はそう答えた。

「じゃあ教えてやるよ…」

丸井先輩はそう言って話し始めた。
そして気付くと、俺はテニスコートを飛び出した。
後ろから真田副部長の声が聞こえた気がしたけど無視。
ずっと走って……
気付くと幸村部長が入院している病院についた。
そして病院内を走った。
途中看護師やすれ違った人が何か言ってきたが、かまわず走った。
そしてある病室の前で止まると。勢いよくドアを開けた。
その中をフラフラした足取りで歩く。
部屋の中にはベッドと機械がある。
ベッドの横に着くと誰か寝ていた。
それはいつも俺の事追いかけてきた女子。

「起きろよ」

しかし、反応はない。
あんなに切原先輩って追いかけてきたのに…
俺が話しかけてやったのに…

「起きろよ!いつまで寝てんだよ!」

大声で言った。
そしてベッド蹴っ飛ばした。
でも全然起きない。
そして……
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ