立海

□狂った愛
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「華菜先輩今の見てました?」

赤也が笑顔で振り返った。
その時右手に持っているものが、キラッと光った。

「うん。見てたよ。」

私はそう言ってニコッと笑った。
赤也の足元には、先程まで動いていたモノがある。
そしてモノの周りには赤い水溜り。

「俺、先輩の事好きだからできるんすよ!」
「分かってるよ。ご褒美はなにがいい?」
「……キスしてもいいっすか?」
「いいよ」

赤也が右手に持っていたものをおとした。
赤い水溜りに落ちて、月明かりを反射している。
そして私たちはキスをする。
何度も…何度も…

「赤也」
「なんすか?」
「大好き」
「俺も先輩のこと大好きっすよ」

そして赤也を強く抱きしめた。
赤也の服からは血のにおいがする。
きっと私の服も同じ匂いがするのだろう。

「ねえ赤也」
「なんすか?」
「この転がってるモノどうする?」
「いつもの場所に捨てときますよ」
「分かった。」

こうして私達はモノの処理をする。
ゴミ捨て場にモノを捨てて、替えの洋服に着替えて……

今度はいつやる?

とかそんな話しをしながら家に帰る―




ねえ赤也、いつから私達は狂ってしまったの?

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