氷帝

□若VS岳人
1ページ/8ページ

好き。なのに……お前は俺じゃなく別の奴を好きになった
あいつよりも俺の方が優れているんだ。
なのになんでだ!


「おはよ!」
「……おはよ」
「どうしたの?元気ないね。」
「ほっといてくれ!」

俺はそう言って走っていった。
そして、気付いたらテニスコートにいた。
他のメンバーが朝練している。

「珍しいな。お前が1番最後だなんて。」

俺から彼女を奪った奴。
一応尊敬はしている。
先輩だからな。

「何のようですか。」
「俺な、華菜と付き合うことになったんだぜ」
「知ってます」

昨日、華菜が嬉しそうに話してきた。
「よかったな」その一言しか言えなかったけど。
俺のほうが先に華菜のことを好きになったのに。
なんで向日さんなんだよ!

朝練が終わり教室にいった。
席について教科書をだしていると

「日吉、さっきはごめんね。」
と華菜が言ってきた。
華菜は俺と同じクラスで、
席は隣だ。

「なぜ謝る?」
「さっき、なんか怒ってたから。わたしがなにか悪いことをしたのかな〜って思って…」

それなら向日さんを選ぶなよ。と言いそうになったが「別に華菜は気にしなくていい。」

と言った。
その時、頭のなかにあるアイデアが浮かんできた。

「なぁ華菜。」
「なに?」
「今日の放課後あいてるか?華菜が読みたがっていた本を見つけたんだ。」
「……でも今日はがっくんと一緒に帰るって言っちゃったし…」

いつの間にか向日先輩からがっくん呼びになっている。
俺は昔から日吉。
下の名前で呼んでくれたことは一度もない。
どんどん向日さんに対する怒りともいえる感情が押し寄せて来る。

「なら、今日で一緒に帰るの最後でいい。」
「わかった。」

華菜はそう言うと教室からでていった。


そして待ちに待った放課後。

今華菜は俺の部屋で小説を呼んでいる。
そんな華菜の背後にまわった。
そのまま背後から布で華菜の口をおさえた。
苦しそうにしていたが、しばらくして気を失った。

俺が朝思い付いたアイデアとは、
華菜を誰にも見られないようにするというもの。
案外簡単にここまでできた。
しかし急に思い付いたため、なにも準備していなかった。
それは失敗だな。
とりあえずロープで華菜の手足を結んだ。
これで俺だけを見てくれると思うとすごく嬉しい。

華菜が起きた時に悲鳴をあげたことなんてどうでもいい。
華菜がここにいてくれればそれでよかった。

数日がたった。

日がたつにつれて向日さんは元気がなくなっていっている。
ざまあみろと思った。
俺から華菜を奪ったからこうなったんだ。

この日の夜事件は起きた。

なんと向日さんが俺の家にきたのだ。
しかも俺が出掛けている時に。
俺はそれを聞いて急いで部屋に。
思った通り、向日さんは華菜をつれて行ってしまった。
いつ気付いたのか分からないが。
なので次は計画をたててやろうと思う。

次は…明日でいっか。

さてと、今から道具を集めに行くか。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ