その他

□笑顔
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「貴方は、どうしていつもドジなんですか。」
「観月先輩、ごめんなさい。」

かなはペコッと頭をさげた。
頭をあげて観月を見る。
観月は髪をいじっていた。

「まぁ、次からは気をつけてくださいね。」
「はい。」

かなは走っていった。
そしてコケた。

「さっき言ったばかりじゃないですか。」
「ごめんなさい」

かなは恥ずかしさと痛くて目から涙が落ちた。

「泣くほどのことではないでしょう。」
「すいません…」
「貴方の知っている言葉は、ごめんなさいとすいませんだけですか?」
「いや…」

かなはさっきより目が潤んできた。
観月がどんな表情をしているのかよく分からない。
どうせ、呆れてるんだと思う。

「貴方は…笑顔のほうが似合うと思いますけど。」
「えっ?」
「笑って、みんなを励ますのが貴方の仕事でしょ。なぜ、その貴方が泣くんですか。」
「だって…」
「そういえばですが、ボクの情報が正しければ貴方はボクのことが好きですよね。」

観月がこう言った瞬間かなは泣き止んだ。
そして、顔が赤くなった。

「泣いた次は赤くなるですか。貴方は面白いですね。」
「………」
「そんな貴方が好きなんですけどね」
「そうなんですか。もう平気なので、わたしはこれで!」

かなは立ち上がり走っていった。

「ボクの告白はスルーですか」

かなが観月の告白に気付いたのはこの3分後―
 

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