short dream

□怪我
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海常の場合


「花鈴っち!?痛ましい姿で…!?」
『きーちゃん』
「何でこんななのに部活来たんスか!?」
『マネージャーだから?』
「馬鹿じゃないっスか!?」


黄瀬が珍しくキレる。


「何だよ黄瀬。うるさ…!?月宮!?」
『笠松先輩、お疲れ様です』
「何したんだ!」
『階段から落ちました』
「それでも部活に来たんスよ!?馬鹿じゃないっスか!?」
「安静にしとけ!動くな!」
「むしろボールが当たったら怖いんで帰ってくださいっス!」


笠松はあたふたする。
帰れとまで言われる。


『帰ろうにも帰れないんですよ』
「「はぁ!?」」
『迎えが部活終了時刻だからです』
「早めてもらえ!」
『母だって仕事があります』


沈黙が訪れる。
花鈴が言うことは最もだ。
正論しか言っていない(はず)。


『動かないので、残らせてください』
「…分かった。ただし、ちょっとでも動いたら強制送還だからな」
「え、誰が送り届けるんスか?」
「…お前?」
「俺っスか!?」
『部活の邪魔したくないので本当に動きませんから!働きません!』


本当に見てるだけだったとか。
時折動こうとしてしまっていたが、ぐっとこらえていた。
だって笠松先輩に睨まれるんだもん。
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