BLEACH短編

□夫婦の契り
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最初から、白哉の心は柑奈のものではなかった。
白哉から愛されてなどいなかったのだ。
それなのに、自分が妻に選ばれたことに勘違いして天狗になった。
ただ、自分が愛されていなかったことを認めたくなかっただけだったのだ。
そのためだけに緋真に八つ当たりをしてしまった。
なんて醜い行動。
もう、妻でいられる資格を失った。
それも自らの手で。

「…そう、ですか、分かりました」

この邸からでていかなければならない。
柑奈は、この邸から離れる決意をした。

「緋真様、さきほどの言葉は取り消します」
「柑奈様…?」
「最初から、私のものではありませんでした」
「そ、れはち」
「ごめんなさい」

柑奈はそう言って、緋真の部屋をあとにしようと踵を返す。

「柑奈、どこに行く」
「待ってください、柑奈さ…ケホケホッ!」
「緋真!?」
「柑奈さ、ま……待って」
「緋真様、どうかお元気で」

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