BLEACH短編

□夫婦の契り
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「私は………夫失格だな」

白哉は力なく緋真に問いかけた。
緋真がここまで弱々しい白哉を見るのは、初めてのこと。
それは、白哉にとって柑奈が、それほど大きな存在だったという証拠なのだ。

「…そうお思いなら、柑奈様を早く見つけてください………」
「しかし…」
「昨日、最後に柑奈様が呟かれた言葉がひっかかるんです…」

まるでもう二度と会えないような口ぶりだった、と緋真は続けた。
もう二度と会えない。
その言葉に白哉は胸が締め付けられる感覚に襲われる。
柑奈が自分の傍から離れることなど、一度たりとも考えたことがなかった。
いつまでも傍で笑っていてくれると、疑わなかったのだ。

「柑奈は私が必ず見つけ出す」
「…お願い、しま、す………」
「あぁ」

白夜は短く返事をし、柑奈を探すべく部屋を後にした。
そんな白哉を見送り、静まり返った部屋で緋真は一人微笑んだ。
緋真が幼き頃失った、大切な人のことを思い出しながら緋真は小さくつぶやく。

「どうか私のように…大切なものを失わないで………」

小さくつぶやかれた緋真の言葉は誰に聞かれることもなく空気へと消えた。

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