BLEACH短編

□恋の花弁
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「斬魄刀の始解の言葉…芹!!」

それは、阿散井恋次がまだ5番隊にいたころの話になる。
当時、5番隊隊長を務めていた千ヶ崎柑奈に、恋次は惚れた。

「…大丈夫だった、恋次くん?」

柑奈は、身長150pと小柄な体つきをしている。
それにも関わらず、自分よりも少しばかり大きな斬魄刀を、軽々しく扱い、その上動きはまるで舞っているかのようにしなやかだった。
何百体といたはずの虚も、大虚もはそこにはもういない。
たった1人で、しかもたった一振りで、倒したというのか。
恋次は辺りを見渡した。

「れーんじ君!」

綺麗な顔立ちをした柑奈が、恋次の顔を覗き込む。
恋次の鼓動が、まるで走った時のように早くなった。

「は、はい!?」
「どーしたの、ぼーっとしちゃって?」
「あ…い、いや!その、動きがスゲェ綺麗だなって思って」

今の恋次の顔はおそらく、タコのように赤い。

「そっかな?」
「そーッスよ!!」

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