BLEACH短編

□君と私のSとM
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静かな朝を迎えた六番隊の執務内に、ガラスが割れる音が響く。
それとともに「あー!」という叫び声も混じる。
叫び声のする方へ視線を向ければ、床にはグラスの破片が飛び散り、一人の女性隊員が頭を抱えて右往左往していた。
その女性隊員、柑奈は、叫び声の主であり、グラスを割った張本人。
この光景は、六番隊の隊員ならば週に1度は目にするものだ。
音を聞きつけて、隊主室から出てきた白哉は、右往左往する柑奈を見て、すべてのことを察した。

「また兄か」
「す、すみませんっ」

白哉に怒られた柑奈は、今にも泣きそうな顔をしている。

「……もうよい、行け」
「はい…」

怪我はしていないか?
そう聞きたい白哉だが、護廷十三隊一ではないかというほどの口下手な人間。
気の利いた言葉もいえず、柑奈を怯えさせることしか出来ない。
わざと厳しいことを言うときもあるのだが。
別に、白哉本人からすれば柑奈が嫌いだから強く当たっているわけではないのだ。

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