BLEACH短編

□恋の花弁
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「ありがとう」

自分じゃわかんないや、なんて言いながら柑奈は笑う。
その笑顔に更に恋次の鼓動が早くなる。

「でも、恋次くんも虚と戦ってるときすごくカッコいいよ?」
「なっ………」

意地悪くウィンクをしながら「惚れちゃうかも」という柑奈。
「惚れろよ」なんて心の中では言えるが、本人に直接言う勇気なんてなかった。
たとえ隊長と言えど、柑奈は女。
それも体つきは小さくて細い。
恋次との身長差は30pもある。
それなのに恋次は柑奈に守ってもらってばかりだ。
恋次にも一応男のプライドというものがある。
柑奈を超えることは出来なくても、柑奈を守れる程の力をつけるまではこの想いは伝えることは出来ない。
そう恋次はココロに決めていた。

「顔赤いよー? 何、照れた?」
「そ、そりゃぁ…!」
「そりゃあ…なに?」
「何でもないっす!」

柑奈の瞳が恋次を捕らえた。
立ち上がった恋次を見つめる柑奈は自然と上目遣いになる。
おまけに、柑奈は首を傾げる始末。

「えー、気になるよー」

そっぽを向いて答えようとしない恋次に、柑奈は膨れっ面をしてみせる。
ちらりと目だけを柑奈に視線を向ける。
恋次にとっては、柑奈の行動全てが可愛く見えて仕方がない。

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