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□惚れ薬
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「よかった♪皆ここにまだいたわ〜さぁ、4つ持ってきたから飲んでよ〜♪」

さっきより笑顔でアテナさんがこっちに来る

『わ、わざわざ4つも持ってこなくてもアポロだけに……』

「さらりと酷いこと言うな嬢ちゃん……それにしてもアテナ、何なんだ?その薬は?」

ラムダさんはアテナさんが持っていた薬のような物体を指す

「これ?これは飲んだ人は飲まされた人が好きになるのよ!!これをサカキ様に飲ませたら私は……」

『この中でもラムダさんって一番年上だよね〜何歳からロケット団に入っているんだろ』

「私より先に入っていたので知りませんよ。それにしても結構前の話に戻りましたね」

「おーい、聞いてあげたオレ様に感謝してくれ〜」

「つべこべ言わずに飲みなさい!!ラムダが私に惚れられるのは嫌ですけど!!」

アテナさんが無理矢理ラムダさんに薬を飲ませようとする

「そんなこと言われたら飲めねぇだろ!!その前に飲みたくないけどな!!つーか飲ませるならランスとかにしろよ!!」

「お断りします」

『アポロ起きてよ!!盾になってよ!!』

私は倒れているアポロを揺さぶりながら言う

「そんなことでアポロは起きるわけないですよ」

「う、うぅん……」

アポロがその反応に気付いたように起きる

『アポロ!!』

「貴方バカですか」

「目を覚まして言われた第一声がそれですか!?」

『アポロ、アテナさんをどうにかしてよ!!惚れ薬なんて飲みたくない!!』

「あれは惚れ薬だったのですね……驚きです」

アポロは手を顎に当てて、考えている仕草を見せた

「私はあの薬がなんなのか知らなかった貴方に驚きです」

「ちょっと嬢ちゃん!!ランス!!アポロ!!アテナをどうにかしてくれ!!」

振り向くとアテナさんに追いかけられているラムダさんが目に入る

アテナさんはそのことに反応して、こちらを向く

「アポロ!?起きたのです!?」

そして全速力でこちらに向かってくる

「あの惚れ薬があればナマエとサカキ様は私に……」

「……」

アポロの発言を聞いたランスの顔はドン引きだ

「アテナ、その薬を飲んで成功なら二つ、私にそれをください」

「あら……別にいいですわよ」

アテナさんは笑顔でアポロに薬を渡す

「では……」

アポロはその薬を飲もうとした瞬間……

『やっぱりダメ!!』

私はアポロから薬を奪い取る

「なぜですナマエ!?」

アテナさんが怒ってるよ……

『アポロがアテナさんに惚れ惚れしているところをしたっぱに見られたら……』

私はそう言いながら顔が赤くなっていっていることが自分でもわかる

「その時はその時ですわよ!!返しなさい!!」

「4つ持ってるんならその他のを使えりゃいいのになぁ……」

ラムダさんの一人言はアテナさんには届いていないようだ

もし届いてたらラムダさん殺しますね

『嫌です!!こっちが恥ずかしくなりま……あっ!!』

ドテーン!!

私の足がじゅうたんに引っ掛かって大胆に転ぶ

「嬢ちゃん!?大丈夫か?」

ラムダさんの言葉に反応して、手に持っていた惚れ薬……あれ、ない……

「はっ!!惚れ薬はどこに……」

「アポロの口の中です」

ランスが惚れ薬を飲んでいるアポロの方を指す

『「「!?」」』

ゴクゴク……

「飲んでる……」

「飲んでるというか“飲み込んでしまった”……ですわね」
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