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□氷室誕 ※会話文のみ
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『むっくん、今日は室ちん……氷室君の誕生日だよ?』
紫原「あれー?そーなの?気付かなかったわー……室ちん、全然言ってくれないからー。」
『氷室君、あまり自分のこと喋らないからねー……。』
紫原「なんで名ちんは知ってるのー?」
『この前、生徒手帳を拾ってね、その時に見ちゃったんだ。』
紫原「名ちん盗み見ー。」
『いーじゃん!氷室君の誕生日わかって!』
紫原「まーそーだけどー……名ちんは室ちんになにかあげるの?」
『私?私は小さい箱だよ。』
紫原「箱ー?」
『箱って言ってもちゃんとした箱だよ?小物入れ的な。』
紫原「それぐらいわかってるしー。なんで箱?」
『ほら、氷室君、首にあのリングみたいなやつつけてるでしょ?あれの入れ物になるかなーって。』
紫原「なるほどー考えたねー。」
『むっくんは……ないか。今知ったんだし……。』
紫原「……あるし。」
『なになに?』
紫原「飴玉。」
『…………。』
紫原「名ちん?」
『いや、飴玉って……あの、そりゃプレゼントよりその人の気持ちが大切だけど……』
紫原「名ちん、知らないの?この飴玉、世界でひとつしか作られてないんだよー?」
『そ、そうなんだ……どんな味?』
紫原「トロピカルパッションミックスチョコレート。」
『(トロピカルパッションな果物にチョコレート!?)お、美味しそうだね……。』
紫原「食べたかったけど室ちんに譲るー。」
『それにしても……パッションって聞いたら福井先輩の“TPO=ちょっとパッションおさえてこーぜ”が浮かんだんだけど……』
福井「忘れろ、名前。」
『うわっ!?どこから出てきたんですかっ!?』
紫原「なにそれー?」
福井「紫原、深追いはするな。ちょっと用事があってここにな。」
『また劉ちゃんに可笑しな日本語教えてません?』
福井「あれからは何も言ってないから大丈夫だ。」
紫原「あれは手遅れだと思うけどー。」
氷室「あれ、アツシと名前と福井先輩じゃないですか。お揃いでどうしたんですか?」
紫原「あー室ちーん。」
氷室「やぁ、アツシ。元気そうだな。」
福井「名前、お前はちゃんとプレゼント用意してるだろうな?(ボソッ」
『大丈夫ですよ!福井先輩こそ、どうなんですか?(ボソッ』
福井「ちゃんと持ってきてるわ!(ボソッ」
『ろくな物じゃないですよね……?(ボソッ』
福井「なっ……そんなわけ!!」
氷室「名前、福井先輩。何を話しているんですか?」
福井「……氷室。」
『氷室君。』
『「誕生日おめでとう(!/〜)」』
氷室「君たち…………ねぇ、アツシ。祝ってくれるのは嬉しいんだけど……」