書物其ノ一
□人型猫のとあるジンセイ
2ページ/6ページ
人型○○。
医学が発展したろくでもない副産物。
元は動物と人間を引っ付けて
それぞれの一長一短を補う。
そんな研究だったと記憶しているものの、政府が繰り出した残酷な対策のおかげでこの研究は人口を減らすものの代名詞になってしまった。
結果は失敗に限りなく近い成功。
失敗に近いわけは主に二つ。
1.どう転んでも人語を理解するペットOf大人の玩具
大人の玩具というわけはどうしても感度が高すぎるケモ耳尻尾なため。
中性には何故か出来ず、神の領域として諦めた馬鹿共にこればかりは殴ってやりたい気分だ。
2.寿命が極端に短い。
短くて半年、長くて3年以上。
かと言って4年生きたものはいない。
もともとこの人型○○にはそれぞれ人間一人、動物一匹が必要で。
何もしなければまだ生きれるのに、というのにこの計画にゴーサインを出した奴は何故それこそ神の領域と諦めなかったのかがハンジには不思議で堪らない。
それでも、
ハンジは意識を現実へと向ける。
「―――――君はなるというのかい?
エレン。」
白いベットに寝かされたこれまた白いエレンはこくりと頷いた。
エレンはたった一人残った物言わぬ家族の治療のためになろうとしている。
……いい、ご主人様を見つけてあげないとな……
ハンジは目に溜まった涙を一筋流して、
エレンの手術に向かった。