目は口ほどに物を言う
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零崎一賊が壊滅してしまってから、僕はまるで殺し名でも呪い名でもない一般人のように過ごしていた。
敵討ちも出来ず、ただぼんやりと。
一人ぼっちの殺人鬼は殺人鬼であって殺人鬼ではなかったのだ。
零崎一賊が末弟にして最強の零崎奇識は、抜け殻になってしまったのだと思っていた。
実際に仇が身の前に現れて、一人きりの殺人鬼だと言われ、その瞬間脳天から脊椎を通って爪先まで、激しい殺意が迸った。
理由なく殺す殺人鬼、零崎の。
最初で最後の殺意と悪意と害意100%の。
「──ようこそ素晴らしき惨殺世界へ!!!!」
妊婦の腹の中のような血だまりで、少年のようなあどけなさで、被害者のような笑みで、零崎奇識は笑い続けた。
I hurt you in the murderous intent and malice.