夢の魔道書を携えて
□天文学者と森のギルドマスター
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アレクと〈混沌の夜〉を観察し、自分が異次元の存在だと知った後に向かったのは森の村…ラリドンだった。
「なんか…異様に見られてません?わたし達」
「はたから見たら、仲睦まじいカップルに見えるのかもね♪僕たち」
「大丈夫です、それは絶対ないんで」
「えー、冷たいなぁ…」
王都と違って魔道士自体がもしかしたら珍しいのかもしれない。そう思い、あまり気にしないようにした。
「着いた。ここがラリドンの魔道ギルドだよ」
「わざわざ案内ありがとうございます、ギルドマスター」
「んな堅苦しい呼び方しないで、アレクでいいよー。それにナオちゃんのためならいつでも僕はいつでも力になるよ♪連絡してくれればいつでも行くし」
「その間のギルドマスターの仕事はどうすんですか…」
「んじゃ、僕はこれで。そろそろ戻らないと秘書やら王都のギルドの連中が騒ぎだすから」
「(連絡せずに来たんかい!)お気をつけて…」
なんとなくノリは軽いけど、一応いい人だなアレクさん。わざわざここまで案内してくれたし。〈混沌の夜〉のときとか仕事だと周りを振り回すタイプのようだが…
「ここのギルドマスターはどんな人だろう?」
なんかイメージである老人系のギルドマスターが中々いないのは何故なんだろう…若くないとキツイ仕事なのかな?もしくは限定された人しかなれないような役職なのか。
「失礼します。王都から来た魔道士の者です」
「…あ、どうぞ」
うん?声的に女性かな?とりあえず、中に入るか…。
「失礼します」
ガチャッ。
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