冥王星にさよなら
□まぶしいよせかい
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頭がおかしいと思われたら、どうしよう。そんな不安を抱えながら今までのことを口にした。別の世界から来た、と云うことは隠して。
終始、シンドバッドさんは真剣に私の話を聞いてくれことの端末を言い終えた後、何でもないように口を開いた。
「なら、シンドリアにいればいい」
「えっ?」
「頭に響くその言葉は、よのはに旅をしろと言っているわけじゃないんだろ」
「はい」
「なら、問題ない」
そう云うことなのだろうか。確かに、どうやってとは今まで告げられてはいない。けれど、私がその道から逸れそうになると決まってその台詞が頭に響いた。
それをシンドバッドさんに告げれば、「偶然だろう」と返された。
そうなのだろうか。私が変に意識しているだけなのだろうか。
「よのは、時には緩くなっていいんだ。したくないなら、逃れたっていんいだ」
「でっ、でも」
あの人は、先生は。自分のすべきことから逃れた、私をどう思うだろうか。軽蔑するだろうか。呆れるだろうか。
自分の中で、先生を思い浮かべて見るが全くわからなかった。
「よのは」
シンドバッドさんが、私の名を呼ぶ。
「君は、どうしたい」
「わたしは、」
わたしは。わたしは。先生は。先生は。わたしは。
「たびはしたくありません」
「なら、そうすればいい」
シンドバッドさんは、陽気に笑った。
新しい世界が動き出した。