冥王星にさよなら

□楽しいと君が言う
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城内を散歩していたら、シャルルカンさんに会い私のテンションは一気に急上昇した。

「シャルルカンさん!!」

「げっ、よのは」

私とは裏腹に、シャルルカンさんはげんなりした顔になる。小さく酷い、と溢せばシャルルカンさんは途端に笑った。

「嘘だって」

どうしてこうも私を、からかうのだろうかと思いながらシャルルカンさんに近寄れば相変わらず私の頭を撫でた。

「不満そうだなー」

「あっ、シャルルカンさん、背中に虫が!」

手を大きく振り上げシャルルカンさんの背中を叩こうとすると、ひょいと避けられてしまった。

「わっ、と」

空振ってしまい、身体が大きく傾く。そんな私を見てシャルルカンさんはどや顔だった。

「その手に2度もかかるかって」

「虫が、」

私は、シャルルカンさんの言葉を無視しながら再度、大きく手を振り上げた。

「お前、話聞けよ」

「無理です」

そして、2人で笑った。
シャルルカンさんといると、自然と笑ってしまう。知り合って日も浅いというのに、シャルルカンさんといると何故かそれを感じない。
腹を抱えて、笑っていると自然と涙が出てきた。
面白くて、面白くて、堪らない。
流れ落ちそうな涙を手で拭えば、シャルルカンさんはそれに気付き口を開く。

「よのは、笑いのツボ浅いな」

大丈夫かよ、と笑いながら私の頭をポンポンとあやすように叩く。
また涙が流れそうになる。
けれど、その涙は何に対して流れる涙なのか自分でも理解出来なかった。
ただ、楽しいと強く思った。



**



「シャルルカンさん、もう喋らないで下さい。頼みます」

「お前、本当に失礼だな」

「っっっ、勘弁して下さいよっ」

「何だよ、今の会話のどこに笑う要素があったんだよっ、ッッッ」

「とか言いながら、自分も笑っているじゃないですか、ブッブッ」

「オレはしかたねーよ。だって、よのはが笑わせてるからな」

「残念んんん!!! 笑わせてませんッッッ!」

「クソ、こんなことで笑うとかすげぇ悔しい」

「ざっざっざっ、ハッハッ」

「お前、何が言いたいんだよ。笑い過ぎて言葉になってないぞ」

「いっひっひっ、笑い過ぎて窒息しそううっうっうっ」

「やめろって。冗談にならないぞ、今の状況からして」

「きぇー!!!」

「なっなんで、叫んだんだよっ、ハッハッハッ」

「かっ、かつをいれたら、とまるかなって」

「お前の息の根が先に止まりそうじゃねーか」

「ひー、だからシャルルカンさん黙って下さい。無限ループじゃないですか」

「心配すんな」

「シャルルカンさん、」

「ちゃんと土には、ッッッ」
「自分で笑ってどっ、どうするんっ、ですか、」

「よのはが黙れ」

「しぬ」

「だから、冗談にならねぇって、黙れ、ッッッ」

「腹筋いたい、筋肉痛になる、ひっひっひっ」

「腹筋弱すぎだろ、ッッッ。お前、本当に笑わせるつもりないのかよ。ハッハッ」

「ないですぅ。ッッッ。上体起こし10回をナメるな。ッッッ」

「ナメてねぇよ、」


「随分と楽しそうだな」

第三者の声に、シャルルカンの背筋は凍る。

「王、」

「oh!!!」

よのはは、そのまま笑い死ねばいいと思った。



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