君がくれたもの

□Ep.4 それぞれの想い
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淡く輝く美しいセレニアの花が咲く花畑に、綺麗な飴色の髪をなびかせる少女がたたずんでいる。
「ルークったら…、一体どこに行ってしまったのかしら?」
ルークが私に何も告げずに行方を眩ませたのは、今からおよそ1ヶ月前の話。
ルークが居なくなったその日、私はお祖父様にしつこく詰め寄って、ルークが兄さんの手伝いの為に外郭大地に向かったことを教えてもらった。
でも…。
「手紙すらよこさないなんて…、次会ったらお説教ね。」
「そう言うでないぞ、ティア。」
独り言に返事が帰ってきて、振り返るとそこにはお祖父様がいた。
「ルークはヴァンの手伝いに向かったのだ。
神託の盾騎士団の仕事ともなれば、何かと忙しいのであろう。」
「でも…、ルークなら忙しくても1通くらい…。」
彼は意外とマメな性格で、6年前から毎日欠かさず日記をつけ続けたりしていた。
そんなルークが、手紙の1通も書かないなんて…、正直心配だわ…。
「ルーク…、今どこに居るの…?」
ティアの呟きは、吹き抜ける風に書き消された…。
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