君がくれたもの

□Ep.3 母と娘
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「ライガクイーン達は、私達六神将が責任を持って説得し、人間に干渉せずに済むような土地に移住して貰います。」
「そんな事が可能なのですか?」
「はい、既に移住先も見つけてあります。
どうか…、どうか温情を頂けませんか、イオン様!」
言い切ると同時にイオン様の前に膝をつくアッシュに、イオン、アニス、マルクト軍人の3人は驚きの表情を浮かべる。
「お願いします…!」
「…わかりました。」
「えぇっ!?認めるんですか!?」
「はい、僕も殺生は嫌ですから。」
「ありがとうございます!」
「…まぁ、イオン様が良いと仰られるなら、今回は見逃しましょう。」
イオン様のお陰で、アニスとマルクト軍人は渋々だが武器をしまってくれた。
話が片付いたのがわかったのか、下がっていたシンクもこちらに歩いてくる。
「話はついた?」
「あぁ。日が暮れる前に、ライガクイーンと卵の移住を始める。
シンク、アリエッタ、卵が割れないように慎重に、出来るだけ早く作業を始めてくれ。」
「言われなくてもそのつもりだよ。」
「ありがとう…、兄さま。」
「あぁ、これでママ達は大丈夫だから、安心しろよ。」
「はい…です。」
そして、アリエッタとライガクイーン達が発ったのを確認してから、再びイオン達に向き直った。
「イオン様、皆さん、本当にありがとうございました。」
「いえ、そんなお礼なんて…。」
「感謝の言葉は結構ですよ。
そんな事より、烈風のシンクに妖獣のアリエッタを連れていた上に、指示を出していたと言うことは、貴方も六神将だと見て間違いなさそうですね。」
「―…えぇ、確かにその通りです。」
「敬語を使わなくて結構ですよ、まどろっこしいですから。
それより、いい加減貴方の名くらい教えて頂けませんか。」
眼鏡の奥の鋭い眼差しに睨まれ、一瞬たじろいだがすぐに自分を奮い立たせる。
この人相手に、弱気になったら終わりな気がする。
「俺は…、アッシュ。
六神将、"鮮血のアッシュ"だ。」
〜to be continue!〜
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