君がくれたもの

□Ep.6 憎しみと友情と
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「ここにも居ない…か。全く、何処に隠れたんだ?」
白光騎士団が必死に侵入者を探している傍ら、お世話係りの青年は一人でルークの姿を探していた。
「ルークの奴、まさか外に出ちまったんじゃないだろうな…。」
昔から、あの坊っちゃんは言い出したら聞かないんだからと落胆しつつ、主人の隠れそうな場所を隈無く捜していく。
この屋敷に使用人として潜入してからはや数年。
今か今かと復讐の機会を伺っていたのに、いつの間にやらすっかりこの生活に馴染んでしまった。
「父上…、俺は、どうしたら良いのでしょう。」
仇の家に飾られた父の形見の宝刀を見上げ、ため息をつく。
ガシャンッ
と、ぼんやりしていると不意に何かが割れるような音がした。
「誰だ!!」
「ーっ!」
咄嗟に剣を抜いて構えると、そこに居たのは…。
「しっ、侵入者!いつの間に屋敷の中に…!」
そこに居たのは、夕焼けのような鮮やかな赤髪に、顔を仮面で隠した一人の青年だった。
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